抜歯後に痛みが続いたら?痛みの原因と予防法・対処法について
![左頬を押さえて険しい顔をしている男性](https://carna-dc.com/themes/carna@site2019min/images/noimage.gif)
歯医者さんで「抜歯が必要です。」と言われると暗い気持ちになりませんか?それはきっと抜歯の後の痛みや腫れることを想像しているからではないでしょうか。しかし、今では麻酔薬や医療器具の発達により、昔と比べてはるかに痛みは抑えられるようになってきています。抜歯で大切なことは、実は治療後の方なのです。治療後のケアを誤ると痛みが激しくなるケースも見られます。今回は、抜歯後の注意点やケア方法についてお伝えします。
1、抜歯するのはどんな時?
2、抜歯後の出血や痛みはどのくらい続くのか?
3、抜歯後、最初の48時間が重要
4、痛みや腫れが引かない時は?
5、ドライソケットとは?
6、ドライソケットを予防し、早く治癒させるためには?
抜歯するのはどんな時?
抜歯とは「歯を抜くこと」ですが、抜歯が必要になる状況は様々です。
●歯が割れてしまった場合
虫歯や強い力が加わったことが原因で、歯が大きく割れてしまった場合には、歯を修復することができず抜歯になることがあります。
●虫歯の場合
虫歯がひどくなると、神経を取り除き、歯の内部の根の深い部分まで削っていきます。削られた歯は脆くなってしまうため、最終的には抜歯をした方が良いケースがあります。
●歯周病の場合
お口の中のケアが適切にできていないと細菌が増殖し、歯茎の下に歯垢・歯石を形成し歯周病になってしまいます。歯周病は、重症化すると歯を支える骨を溶かしてしまうために、歯が緩み、抜歯が必要になる可能性があります。
●歯列の矯正をする場合
顎が小さく歯が並ぶスペースが狭い方は、歯並びが悪くなってしまうことがあります。重なり合うように生えた歯を矯正治療で治すときに、歯が並ぶスペースを作るために抜歯をすることがあります。
抜歯後の出血や痛みはどのくらい続くのか?
抜歯をした後、数時間は出血が続きます。術後12時間~24時間は出血があっても問題ではありません。歯があった場所にできた傷口に、血液が溜まって餅状になる(血餅)ことで、その中で血管や神経が再生され傷口がふさがっていきます。
抜歯後の痛みは、多くの場合、1~2日くらいで引いてきます。約1週間から10日ほどで骨が形成され、傷口も塞がってきます。それまでの期間は抜歯をした部位を保護・ケアする必要があります。
抜歯後、最初の48時間が重要
抜歯後の最初の2日間は、最もアフターケアが必要な時間です。もし、出血が続く場合は、傷口の部位にガーゼをあて、噛んで圧迫して止血をします。口の中の血を吐き出すと、その勢いで傷口で溜まって固まろうとしている血まで吐き出してしまうことがあるので注意してください。その他の注意点をまとめると、
- 抜歯後、少なくとも24時間は身体を休ませましょう。激しい運動は禁物です。
- 熱いお風呂、長時間お風呂に入ることは避けましょう。
- 横になるときは少し頭を上げると良いでしょう。
- 熱い飲み物、アルコールは避けてください。
傷口で血が固まって血餅が形成されてきたら、歯茎が完全に治癒するまでは次のような簡単な予防措置をおすすめします。
- 定期的な歯みがき、歯間ブラシの使用をして歯をケアしましょう。ただし、抜歯した歯の隣の歯のクリーニングは慎重に行う必要があります。
- スープやヨーグルトなど、噛む必要のない柔らかくて健康的な食べ物やおやつを食べるようにしましょう。熱い物、冷たい物、硬い物を食べるのは避けてください。
痛みや腫れが引かない時は?
次のような症状が発生している場合は、抜歯後の傷口にトラブルが発生している可能性があります。歯科医院に連絡をして歯科医に確認をしてもらいましょう。
- 抜歯後、痛みがひどくなっている場合
- 抜歯後、歯茎の腫れが悪化している場合
- 血液が固まらず、出血が止まらない場合
- 高熱が出たり、吐き気を感じた場合
- 耳にまで広がるような激しい痛みがある場合
- 傷口から嫌な臭いを感じる場合
ドライソケットとは?
ドライソケットとは、抜歯した後の傷口がふさがらず、骨が露出したままになることで引き起こされます。
抜歯後に、血液が固まらず血餅ができなかったり、できていた血餅が剥がれてしまうと、傷口と骨が露出して空気や食べ物に触れる状態になります。その結果、骨が細菌に感染してしまうのです。ドライソケットになると、抜歯後3~5日後から激しい痛みが出てきます。
ドライソケットを予防し、早く治癒させるためには?
ドライソケットになる原因には、次のような点が挙げられます。
抜歯後にうがいを頻繁に行ったために、血液や血餅を洗い流してしまう
ストローを使って強く吸うことで、血餅を流してしまう
喫煙によって血流を悪くし、傷口に血液が溜まりにくくなってしまう
歯磨きなど日頃のケアが不十分で口の中が不衛生な状態になっている
抜歯後は、うがいをしたり、唾を吐いたり、喫煙することを控えることで、ある程度予防が可能になります。抜歯後の出血が気になっても、できるだけうがいを避けてガーゼを噛んで止血をするようにしましょう。
抜歯後の傷口が気になるかもしれませんが、舌や指で触らないようにしてください。あまり触ると血餅が剥がれてしまう恐れがあります。
それでもドライソケットになってしまった場合は、激しい痛みを伴うので、痛み止めや化膿止めを歯科医師の指示に従って服用し、必要な処置を受けるようにしてください。