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知覚過敏はなぜ起こる?治療方法と自宅でのケアについて

【監修:歯科医師 篠﨑章敬】



知覚過敏のツーンとしみる症状や痛みは、一時的なため放置してしまいがちですが、軽度の場合は自宅でのケアを変えるだけで改善することもあります。
症状が強かったり頻度が高かったりするようなら、歯科医院での治療がおすすめです。

このコラムでは、知覚過敏の「原因」「歯科医院での治療法」「自宅でのケア方法」などについてお伝えします。

知覚過敏の症状をセルフチェック!

知覚過敏の主な症状を5つ挙げます。
ご自身に当てはまる症状にチェックしてみましょう!
1つでも該当すれば知覚過敏です。

□冷たいものでツーンと痛む
かき氷やアイスクリーム、氷の入った飲み物などを食べたり飲んだりするときに、歯がツーンとしみて痛みを感じる。

□熱いものでツーンと痛む
熱い飲食物を食べたり飲んだりするときに、歯がツーンとしみて痛みを感じる。

□甘い物でじんわりと痛みを感じる
糖分が多く含まれるお菓子を食べると、痛みがじんわりと広がるような感覚がある。

□酸味が強い物でしびれる
レモンやお酢など、酸っぱい物を口の中に入れると歯がしみて痛みを感じる。

□歯磨きすると痛い
歯ブラシが歯と歯茎の間付近に触れると痛みを感じる

知覚過敏の症状は一過性のことが多く、そのままにしてしまいがちです。しかし、放置することで症状が強くなる場合があります。
適切な処置を受ければ症状が改善することもあるため、早めに歯科医院に相談してみましょう。

知覚過敏を引き起こす原因について

知覚過敏の主な原因は、
エナメル質が薄くなること
歯茎が下がること(歯肉退縮)」にあります。

◯エナメル質が薄くなること
エナメル質とは、歯の表面を覆う硬い組織で、外部の刺激から歯を守る役割を担っています。
エナメル質が何かしらのダメージを受けて欠けたり擦り減ったりすると、歯の内部にある象牙質に刺激が伝わり、痛みやしみるといった症状が出やすくなります。
これは、象牙質に、歯の神経へと繋がっている細い管が存在しているためです。象牙質に熱さや冷たさが伝わると、その管を通して神経にも刺激が伝わり、しみたり痛んだりします。

◯歯茎が下がること(歯肉退縮)
歯の根っこ(歯根)は、もともと外部からの刺激に敏感です。
通常であれば歯茎が付着していてほとんど刺激を感じませんが、歯肉退縮が起きると、歯茎が下がって歯根部分が露出します。
そうすると、外部からの刺激が歯根に伝わり、痛みやしみるといった症状を引き起こしやすくなります。

では、どのようなことが原因で、エナメル質が薄くなったり歯肉退縮が起きたりするのでしょうか?
具体的な例を挙げてご説明します。

ゴシゴシ歯を磨いている

歯の汚れを落とそうとするあまり、歯をゴシゴシと力強く磨いてしまう方もいらっしゃいます。
そうすると、歯のエナメル質が擦り減ってしまったり、歯茎が傷ついて退縮してしまったりすることがあります。
歯ブラシは歯に押しつけるとブラシ部分が潰れてしまうため、ブラシの先端が立つようにそっと当て、シャカシャカ音がするくらいの力加減で磨きましょう。

また、ブラシの毛が硬いタイプや、奥歯など磨きにくい部分を磨くために毛先が短い子供用の歯ブラシを使用している場合も、力が伝わりやすくて歯を傷つけてしまうことがあります。
そのような場合は、普通もしくは柔らかめの毛質の歯ブラシにかえてみましょう。

歯周病による歯肉退縮

歯周病は、歯と歯茎の間にプラークが蓄積することで歯茎が炎症を起こして腫れます。
軽度の場合は治療やケアで改善できます。
しかし、歯周病は再発しやすい疾患でもあるため、歯茎の炎症が繰り返し起こると歯茎が下がりやすくなります。

歯周病が重症化すると、歯茎の中に存在している歯を支える骨(歯槽骨:しそうこつ)が吸収されて減少します。
治療で炎症は落ち着いても歯槽骨は元に戻りにくく、歯槽骨の減少に伴って歯茎も下がりやすくなります。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは、歯に強い力がかかるため、エナメル質が擦り減りやすいです。
歯がしみると思ったら、長年の歯ぎしりが原因で歯にヒビが入っていた、というケースもあります。

歯ぎしりや食いしばりで特に問題なのは、就寝中など無意識下でも行ってしまうことです。
ご自身ではコントロールできないので、就寝中にマウスピースを使用することをお勧めいたします。

歯科医院に相談していただければ、型どりをして自分専用のマウスピースを作成できます。

加齢による変化

年齢を重ねる程、歯は自然に咬耗し、少しずつ擦り減っていきます。
そうすると、知覚過敏の症状が出やすくなります。
すり減りが強く痛みが増してくる場合は、専用の薬でコーティングをしたり、レーザー治療を行なったりします。それでも、痛みが収まらなければ、神経の治療を行う場合もあります。

また、体の組織に存在するコラーゲン繊維が加齢で減少していくと、歯茎が痩せて歯肉退縮を起こしやすくなります。
食事の際はしっかり咀嚼することを意識して、適度な運動などを取り入れながら、お口や体の筋肉を鍛えるように心がけましょう。

知覚過敏を改善!歯科での治療方法と自宅でのケアについて

知覚過敏の治療法は、症状の程度によって変わります。
費用の目安も載せますので、ご参考になさってください。(別途、初診料や再診料がかかります)

歯科医院で行う治療方法

◯知覚過敏用の薬を使用
知覚過敏用の薬剤には、硝酸カリウムや乳酸アルミニウムが含まれています。
硝酸カリウムには、神経に刺激を伝えないようにする働きが、乳酸アルミニウムには、象牙質に存在する微細な管を閉じる働きがあります。これらの成分は、効き目が早く、安全性も高いです。

1度の塗布で効かない場合は、数回繰り返し塗布します。
応急的な処置であるため、効果が数週間しか続かないこともあります。

費用は保険適用で3割負担の場合、1000円くらいが目安です。

◯レーザーの使用
象牙質が露出した面にレーザーをあてることで、象牙質に存在する微細な管を閉じて、神経へ伝わる刺激を遮断します。
レーザーから伝わる熱で歯の質を強くする効果もあるため、知覚過敏の症状の改善はもちろん、虫歯になりにくくする効果もあります。レーザー機器には、妊婦さんやペースメーカーを装着している方でも使用可能なものもあるので、歯科医院で確認してみましょう。
効果も長く続きやすいのが特徴です。

費用は保険適用で3割負担の場合、3000円くらいが目安です。

◯マウスピースの使用
知覚過敏の症状が歯ぎしりや食いしばりにより起きている場合は、マウスピースを使用することで改善できる場合があります。特に、就寝中に行なっている歯ぎしりや食いしばりは、ご自身でコントロールすることが難しいです。マウスピースを就寝中に装着しておけば、歯と歯が直接接触することを防げるので、歯が擦り減りにくくなります。

市販品もありますが、歯科医院では型どりを行って、自分のお口に合ったマウスピースを作製することができます。

費用は保険適用で3割負担の場合、3000~5000円程度です。

◯神経の治療を行う
上記の方法で改善せず、症状で生活に支障が出る場合は、歯の神経を取る治療を行うこともあります。
この治療を「抜随:ばつずい」といいます。
神経を除去するので痛みは治まります。しかし、神経には歯に栄養を送る役割もあるため、神経を抜いた歯は脆くなりがちです。治療を検討される場合は、治療のメリット・デメリットをよく確認しておきましょう。

歯の神経治療は多くて4回程かかり、費用は3000円~5000円ほどが目安です。
その後、歯の土台や被せ物の費用も追加で必要です。治療する歯の位置や、使用する材質などで費用が異なるため、事前に確認しておきましょう。

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自宅で行えるケア方法

軽度の知覚過敏の症状であれば、自宅でのケアで改善できることもあります。

◯歯磨き粉を変えてみる
知覚過敏用の歯磨き粉が市販されています。含有成分を確認して選んでみましょう。

1.硝酸カリウム
神経に伝わる刺激を遮断する働きがあります。
2.乳酸アルムミニウム
象牙質に存在する微細な管を閉じる働きがあります。
3.高濃度フッ素(1450ppm)
酸で歯が溶けた部分を修復する働きや、歯質を強くする働きがあります。
4.研磨剤が含まれていない
研磨剤には、歯に付着した汚れを除去する効果がありますが、知覚過敏の症状が強い方には刺激となることがあります。

「薬用」や「医薬部外品」と記載がある知覚過敏用の歯磨き粉がおすすめです。

◯歯磨きの力加減を気をつける
力強く歯磨きをすると、歯の表面のエナメル質や歯茎を傷つけてしまうことがあります。歯に歯ブラシを押しつけると、歯ブラシの毛先が寝てしまってうまく磨けません。

歯ブラシの毛が立つくらいの力加減で、歯2本分の間隔でシャカシャカ音がするように磨くと良いです。

歯科医院では歯磨き指導も行っているので相談してみるのも良いでしょう。

◯歯ぎしり・食いしばりを予防する
日中、歯ぎしり・食いしばりを行っている場合は、「気づいたらやめる」を癖づけられるように意識しましょう。
就寝中は無意識なので、マウスピースを利用すると効果的です。歯が割れたり欠けたりするのを予防する効果もあります。

歯科医院になかなか行けない場合は、市販品をしばらくの間使用してみるのも良いでしょう。

◯食べ物・飲み物に気をつける
特に、酸味の強いものや糖分の多いものは、歯が溶けてしみたり痛んだりしやすいため、知覚過敏の症状がある方は控えましょう。
特に「炭酸飲料」「柑橘系の果物」「お酢」などは知覚過敏を悪化させやすいです。
もし、飲食後に知覚過敏の症状が出た場合は、常温の水で口をゆすぎましょう。

歯科医院に来院するタイミング

知覚過敏の症状は一過性であることが多いため、そのままにされてしまいがちです。
しかし、症状の程度によっては放置しない方が良いケースもあります。

▷食事をすると必ず知覚過敏の症状が出る
▷症状がだんだん強くなっている
▷冷たい物だけではなく温かい物もしみるようになる

以上のような場合は、歯科医院の受診をお勧めします。

もしかすると、知覚過敏ではなく虫歯や歯周病などが原因かもしれません。気になる症状があれば、早めに相談しましょう。

知覚過敏かな?と思ったら歯科医院へご相談を!

「歯科医院は痛みが出てから行く所」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし最近では、虫歯や歯周病などのお口の疾患を予防するために、特に痛みがなくても定期検診を受けていただくことをおすすめしている医院が増えています。

予防の観点から、違和感が気になり始めた時に歯科医院を受診することは、とても大切です。
早めに対処できれば、簡単な処置で症状が改善できることが多いです。また、知覚過敏だと思っていたら、虫歯や歯周病が原因だったというケースもあります。

早めに受診することで、知覚過敏の進行を防いだり、例え虫歯や歯周病であっても重症化する前に治療を行ったりすることができます。また、ご自宅でできるケア方法についてもお伝えしております。

知覚過敏かなと気になったら、まずは一度、歯科医院を受診してみましょう。

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