口臭の原因とにおいの種類とは?
自分の口臭が気になることはありませんか?また、他人の口臭で嫌な気分になったことはありませんか?くさい口のにおいは周りに不快感を与えてしまいます。しかし、自分では気がつきにくいうえに、においを指摘しにくいものです。
誰にでもある程度の口臭はありますが、周りに不快感を与えるほどの強い口臭はなんらかの原因があります。自分の口臭の原因は何なのかを理解して、においの元を除去し改善していきましょう。
口臭の原因の9割以上は口の中にある
口臭の原因の90%以上は口の中から発生していて、残りの10%は全身疾患(内科・耳鼻科など)の病気が原因で発生しています。口の中から発生している口臭の主な原因は「気体由来」で、不快なにおいの成分は20種類ほどあります。
主な物質は揮発性硫黄化合物(きはつせいいおうかごうぶつ・VSC:Volatile Sulfur Compounds)と言われています。
揮発性硫黄化合物は主に3種類のガスからなります。
◦硫化水素…卵が腐ったような臭い
◦メチルメルカプタン…生臭い・野菜の腐ったような臭い
◦ジメルサルファイド…キャベツが腐った生ごみのような臭い
口臭はこれらのガスが混合しあって特有の不快なにおいとなります。
主な口臭の種類は4つ!
①生理的口臭
程度の差はありますが、健康な人にも生じる口臭です。
・朝起きた時やお腹が空いた時、緊張した時などに強くなる口臭
唾液の分泌量が減って口の中の細菌が一時的に増殖してしまうので、歯磨きや水分を取ることで減少します。
・加齢による口臭
年を取ると唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥しやすくなります。マッサージやこまめな水分補給を心がけましょう。
・生理中や妊娠の時
生理中や妊娠中は女性ホルモンの分泌量が増減することにより、口臭がより強くなってしまいます。生理中はエストロゲンの分泌が最小となるため口が乾燥しやすくなり、口臭が出る原因となります。妊娠中は通常の10~30倍の女性ホルモンが分泌されます。
エストロゲンは歯周病菌を増殖させるため、臭いの発生を促進してしまいます。
②食品由来口臭
食べ物にもいいにおいと不快なにおいがあるように食事をする事で口臭は自然と発生しています。不快な口臭の原因には、にんにく、玉ねぎ、アルコール等があります。食べ物やアルコールが消化される時の成分が血液中に溶け出し、肺を通じ息として排出されます。
食品由来の口臭は一時的なもので時間とともに、においはなくなるので治療をする必要はないです。
③病気よる口臭
病気による口臭には、歯周病や虫歯など口の中の病気による口臭と耳鼻咽喉、糖尿病、肝臓病などの全身の病気による口臭と2種類あります。口の中の病気が原因で発生する口臭は全体の90%以上を占めています。
虫歯や歯周病が酷くなると強い口臭が発生し周りに不快感を与えます。
虫歯は穴に食べ物の磨き残しや歯垢がつまり、月日とともに腐敗していき発酵臭がでます。歯周病は進行していくと歯茎が膿み、歯周病独特の強い悪臭を放ちます。また、舌の表面に白いコケ状の細菌が付着する舌苔も口臭の原因です。
これら病気による口臭は自然に治まる事はなく治療が必要になります。
④心因性口臭
全く口臭がしない人はいません。しかし、口臭検査などで不快に感じる口臭がないのにも関わらず本人だけが酷い口臭があると感じる人もいます。ストレスなどの一時的なものであれば気にならなくなります。
口臭の種類に応じたケアをしましょう
生理的口臭や食品由来口臭は治療の必要がないので、口臭が気になる時は歯磨きや洗口液などを使用して一時的に臭いを抑えましょう。
病気による口臭の90%は口の中から発生しているので、歯科医院を受診する事をお勧めします。
歯周病は、悪臭の原因となっている細菌の元の「歯石・歯垢」を除去しましょう。虫歯は口臭が酷くなる前の小さいうちに治療をするように心がけましょう。舌苔は無理に落とすと舌の表面を傷つけてしまう恐れがあります。歯科医院でケアの方法を教わってから行いましょう。
薬の副作用などにより唾液の分泌量が減少すると、口の中が乾燥して口臭を発生しやすくなるので、水分をこまめに取り乾燥しないように心がけてみましょう。
口臭を予防するには口の中を清潔に保つ事が一番大切です。
ご自身に合った歯間ブラシやデンタルフロスを使用した「毎日の歯磨き」と、定期的な「歯科医院でのプロフェッショナルケア」を受けて、周りに不快感を与えない健やかな口腔内にしていきましょう。