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乳歯の初期虫歯は白い!?表面の白い点には要注意!

【監修:歯科医師 篠﨑章敬】



乳歯は永久歯よりも虫歯になりやすいことはご存じですか?

歯の表面はエナメル質という硬い組織に覆われていますが、生えかけの乳歯は、まだ未熟であるためにエナメル質が比較的やわらかい状態です。また、永久歯と比べるとエナメル質の厚みが半分くらいしかなく、虫歯ができると進行が早まりやすいという構造状の性質があります。

しかし、乳歯が生え始める早い時期から虫歯予防対策に取り組んでいただくと、虫歯になりにくい歯にすることが可能です。また、虫歯ができたとしても、永久歯以上に早期に発見することが重要になりますので、痛みが出る前の乳歯虫歯のサインを知っておきましょう。

今回は「乳歯の要注意サイン」「乳歯の役割」「虫歯予防対策」についてお伝えします。

乳歯の要注意サインとは?

お子さんの歯磨きをしながらでもいいので、お口の中をチェックしてあげましょう。見えにくい場合は、ガーゼなどで水分を拭き取ると見やすくなります。お子さんの歯が部分的に白くなっていたり、黄色やオレンジ、茶色くなっている部分はありませんか?

その部分、もしかすると虫歯になっていたり、虫歯になりかけのサインかもしれません。乳歯の色の変化について詳しくご説明します。

乳歯表面に白い部分がある

乳歯表面をよく観察すると部分的に白くなっていることがあります。これが、歯に付着した食べかすや歯垢であれば、歯磨きを行えば取れます。しかし、そうではなく歯自体が点状に白くなっている場合は初期虫歯の可能性が考えられます。虫歯菌が糖分を餌にして酸を発生させることで乳歯表面が溶かされると、表面が部分的に白くなります。

※乳歯表面が白くなる原因として、他にも「歯のフッ素症」や「エナメル質形成不全」があります。
「歯のフッ素症」は規定の量よりフッ素を過剰に摂取してしまうと起こりますが、自宅での歯磨きや歯科医院でのフッ素塗布で正しくフッ素を活用されている場合は起こることはありません。
「エナメル質形成不全」については、何らかの原因で胎児期における歯の形成がうまくいかず、歯の構造の1つであるエナメル質が正常に形成されない場合におこります。「エナメル質形成不全」も初期虫歯と同じく、歯がもろく虫歯になりやすい状態であるため、お口のケアによる予防が非常に重要になります。初期虫歯と見分けにくいですが、「エナメル質形成不全」の場合は、歯が生え始めの頃から部分的に歯が白くなっています。

奥歯の溝に黄色のすじがついている

奥歯の溝の部分は汚れがたまりやすく、しっかりと歯ブラシで磨けていないとプラーク(歯垢)が蓄積します。プラークはもともと白っぽい色をしていますが、時間の経過とともに黄色〜オレンジ色に変化します。つまり、黄色〜オレンジ色のプラークは、歯ブラシで磨き落とすことができず、蓄積して時間のたった古いプラークと言えます。

プラークは虫歯菌の温床ともなりやすいため、黄色やオレンジっぽいプラークを歯ブラシで磨いたら、その下に虫歯が見つかることもあります。白色や黄色〜オレンジ色のプラークが付着していないか、奥歯までお子さんのお口の中を確認してみましょう。

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歯と歯の間が茶色っぽい

歯と歯の間も汚れがたまりやすく虫歯ができやすいです。歯と歯の間が茶色っぽくなっている場合は、虫歯の可能性が高いので歯科医院で1度診てもらうことをおすすめします。初期の虫歯の状態であれば、白〜黄色っぽくなります。特に前歯は気づきやすいのでよく確認してみましょう。

奥歯の歯と歯の間が虫歯になっている場合は、確認しづらく気づきにくいです。乳歯は虫歯が進行してからでないと痛みがないこともあります。早めに気づくためには歯科医院で定期的に診てもらうことをおすすめします。小さな虫歯で目視による確認が難しい場合でも、レントゲン写真撮影により見つけることができます。

乳歯の役割をご存じですか?

乳歯は顔やお口の発達に重要な役割を担っています。その役割をご紹介します。

噛む力が育つ

乳歯が生えることで、食べ物を噛みちぎる、切り裂く、すりつぶすことができるようになります。食べ物をしっかり噛めるようになると、栄養を吸収する効率も高くなり、体の発育にも影響します。お顔周りの筋肉や顎の発達が促されることで、顔の骨格や咬み合わせが整いやすくなります。

発音機能が発達する

言葉を発するためには、音を作り出す器官である唇・舌・下顎が関係しています。脳からの指令に従い、肺から出される息により、声帯を振動させ、舌や唇の形を変えることにより言葉を発することができます。乳歯が生え揃ってくると、舌を正常な位置に置きやすくなり、言葉を発するための発音機能が発達しやすくなります。

永久歯が生える目印

乳歯には、永久歯が生え換わるスペースを確保する役割があります。基本的に、永久歯は生えかわりにより抜けた乳歯の位置に生えます。しかし、転んだことによる外傷や虫歯など何らかの原因で乳歯を早い時期に失ってしまった場合、そのスペースに他の歯が移動してくることで永久歯が正常な位置に生えてこなくなることがあります。

歯科医院と自宅で行うのがおすすめ!乳歯の虫歯予防対策!

◎歯科医院での専門的な虫歯予防法

フッ素塗布
乳歯は永久歯より歯質がやわらかく虫歯ができやすいですが、フッ素を吸収することで歯質が強化され虫歯になりにくくなります。歯の生えかわりの時期で生えかけの永久歯も未熟な状態のため、その時期にフッ素を吸収することで虫歯になりにくくなります。
フッ素は歯の組織を強くする効果、初期の虫歯であれば再石灰化作用により歯を修復する効果、虫歯菌の働きを弱める効果が学術論文でも証明されています。歯科医院で塗布するフッ素は市販のフッ素入り歯磨き粉よりフッ素濃度が高いです。専門家の指導のもと、適切な量を使用することで虫歯予防効果が高まりやすくなります。フッ素をお口の中にとどまらせることでフッ素効果が得られやすいので、フッ素塗布後30分は飲食・うがいは控えていただくことになります。

シーラント
奥歯の溝部分は汚れがたまりやすく虫歯になりやすいです。その溝部分を洗浄してから白い樹脂材料で埋める処置を行い、虫歯になりにくい状態にします。溝を埋めるといっても歯を削ることはないです。お子さんにも負担なく安心して受けていただける虫歯予防処置です。

唾液検査
唾液検査では、口腔内に存在する細菌の多さ、唾液の性質(緩衝能など)、免疫機能に重要な白血球の量などを知ることができます。虫歯は複数の要因が重なって引き起こされるため、唾液検査の数値から生活習慣で気をつけるポイントや、お口のケアの改善点を知ることができます。

◎自宅でもできる効果的な虫歯予防法

1番大切なのは就寝前の歯磨き
唾液には、細菌の増加を防ぐ働き(抗菌作用)、唾液の循環によりお口の汚れを洗い流す働き(自浄作用)、唾液に含まれるミネラル成分で初期虫歯を修復しようとする働き(再石灰化作用)があります。しかし、就寝時は唾液の分泌が減少するため、これらの作用が機能しにくくなります。そのため、就寝前の歯磨きが不十分だと、細菌の増殖や汚れの停滞がおき、歯の表面も溶かされやすくなり虫歯ができやすいです。そのため、就寝前の歯磨きは非常に大切です。歯磨きの後は何も食べず、飲み物は水かお茶にしましょう。

仕上げ磨きも忘れずに
1歳~2歳くらいの期間に「自分磨き+仕上げ磨き」を始めてみましょう。毎日のことで大変かもしれませんが、まずは、歯ブラシを持たせること・歯ブラシを口の中に入れてみることだけでもいいので、お子さん自身にチャレンジさせてあげましょう。毎回じゃなくても1日1回でもいいです。少しずつ進めていきましょう。その後に、親御さんが仕上げ磨きを行います。お子さんを仰向けの姿勢にして行うのが理想ですが、難しければ向かい合った状態でも良いです。奥歯の溝、歯と歯の間を意識して磨きましょう。

5~6歳頃から歯の生えかわりが始まります。乳歯の更に奥に6歳臼歯も生え始め、お子さんだけでの歯磨きが更に難しくなるため、仕上げ磨きは10歳頃までは続けましょう。高学年くらいになっても、週1回はお口の中の確認を行うことをおすすめします。

フッ素を活用しましょう
自宅でできるフッ素活用方法には、フッ素入りの歯磨き粉とフッ素洗口があります。年齢別の推奨フッ素濃度は、歯の生え始めから5歳頃までは500ppm~1000ppm、6歳以上は1500ppmとなります(2023年1月小児歯科学会より発表)。ただし、小児に対しては特に使用量を守っていただき、うがいがうまくできない子供は量を少なくしたり、使用後にティッシュなどで拭き取るなどして使用量を調整しましょう。使用量の目安はペースト状の歯磨き粉で、0~2歳は1~3mm以下、3~5歳は5mm以下、6~14歳1cmくらい、15歳以降1~2cmくらいです。歯科医院での「数ヶ月に1回のフッ素塗布」と一緒に、自宅での「毎日のフッ素活用」を行っていただくと、虫歯予防効果が高まりやすいです。

デンタルフロスもおすすめです
乳歯が生え揃うと、特に奥歯と奥歯は接触しやすく、歯と歯の間に汚れが溜まりやすくなります。歯と歯の間は、歯ブラシが通りにくく、見えにくい部分なので、知らないうちに痛みが出ることなく虫歯が進行していることもあります。歯と歯の間に通しやすいデンタルフロスと、歯ブラシを併用して使用すると、虫歯予防効果が高まります。子供用にフレーバーつきのデンタルフロスもあるのでおすすめです。

乳歯が生え始めたら歯科健診をおすすめします!

親御さんに特に知っておいていただきたいことは、「乳歯で部分的に白くなっているところは初期虫歯の可能性が高い」ということです。歯が黄色〜茶色っぽい場合は、歯の異変に気付きやすいですが、部分的に白くなっている場合も要注意サインとなりますので歯科医院で診てもらいましょう。

乳歯の健康を守ることは、生えかわりや一生を共にする永久歯の健康に関わります。それには、親御さんの協力が必要です。当院では、乳歯の生え始めからお子さんの歯の定期健診を行っております。虫歯や咬み合わせのチェックはもちろん、お子さんの成長に合わせて仕上げ磨きのやり方をお伝えしたり、虫歯予防処置のご提案などを行っております。お子さんの歯について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。親御さんと一緒に、お子さんの歯を守るサポートをさせていただきたいと思っております。

自治体などによっても異なりますが、子供の定期健診やフッ素塗布、シーラント処置、歯磨き指導などは子供の医療費助成の対象となることがあります。費用や内容についても事前に説明させていただきますので、安心してご来院ください。

当院の健診・クリーニングについて

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