舌の口内炎がなかなか治らない。舌に隠された病気のサインとは。
口内炎がなかなか治らなくて悩まされたことはありませんか？
自然に治るのを待ち、わざわざ病院へは行かない方もいらっしゃるでしょう。しかし、口内炎の種類はさまざまで、中には他の病気を示唆しているものもあります。
今回は、口内炎の種類について詳しく解説します。
１、口内炎の種類と症状について
・外傷性口内炎
・アフタ性口内炎
・カンジダ性口内炎
・ヘルペス性口内炎
２、こんな症状に注意！
・2週間以上長引いている
・口の中に白斑（赤斑）がある
・口内炎が痛くない（しこり、痺れがある）
・その他（どこからか出血する）
３、舌ガン（口腔がん）と口内炎の見分け方とは？
４、まとめ
口内炎の種類と症状について
口内炎は、頬や唇の内側、喉、舌など、口腔内の粘膜部分にできる炎症です。ここでは、口内炎の種類とそれぞれの特徴的な症状についてお伝えします。
外傷性口内炎
口内を噛む、火傷、入れ歯の摩擦など、物理的な原因によってできた粘膜の傷が細菌感染の入口となり、細菌が繁殖して炎症を起こします。
【症状】
- 赤く腫れる
- 刺激のあるもので染みる
- 唾液の分泌量が増える
- 口臭が気になる
アフタ性口内炎
免疫力の低下が口内炎の一因となることがあります。栄養不足、ストレス、睡眠不足といった生活習慣の乱れが免疫力の低下につながり、その結果、口内の微小な傷口から細菌やウイルスが侵入して炎症が悪化するのです。
また、女性の場合はホルモンバランスの乱れによっても口内炎ができることがあります。
【症状】
- 白い潰瘍ができる
- 痛みがある
- 飲食物で染みる
カンジダ性口内炎
カンジダ菌は口内の常在菌でカビの一種です。通常この菌は、口腔内に存在していても問題を引き起こしませんが、増殖が過剰になるとカンジダ性口内炎を発症します。
カンジダ菌増殖の主な原因は、口腔内の乾燥です。加齢や薬の使用によって口腔内が乾燥すると粘膜を損傷しやすくなり、その結果、口内環境が悪化して細菌が増えます。定期的に水分を摂取して口腔内を湿潤に保つようにしましょう。
【症状】
- 白い苔のようなものが付着する
- 痛みはない
ヘルペス性口内炎
ウイルス性の口内炎は特に唇の外側や喉に近い粘膜部分にできやすく、主な原因は疲労や体調不良とされています。
症状は一般的には10日程度で落ち着きますが、この種類のウイルスは人から人へと感染する性質があるため注意が必要です。
【症状】
・赤く腫れる
・激しい痛み
・発熱を伴う
・口内に複数の水疱ができる
こんな症状に注意！
2週間以上長引いている
通常、口内炎の症状は塗り薬などの治療によって改善されますが、2週間以上続く場合は口内炎以外の病気を考えた方がいいです。長期間にわたって症状が続くようなら専門医による診察を受けることをお勧めします。
口の中に白斑（赤斑）がある
がんへの進行前兆として「白板症」と「紅板症」があります。
白板症では、患部が白く変色し（白斑）約6〜10%のケースでがん化するリスクがあるとされています。一方で、紅板症は,皮膚や粘膜が紅色に変色し（赤班）硬化する特徴があり、この状態の約50%は既にがん化している確率が高いと言われています。
紅板症で赤く硬い状態が確認された場合は特に注意が必要です。これらの症状はがんの前段階と見なされているため、早期の医療相談が推奨されます。
口内炎が痛くない（しこり、痺れがある）
口内炎が痛くなくても、お口の中にしこりや腫れ、しびれがある場合は注意が必要です。問題視しなくても良いケースが多いですが、口腔がんが原因で症状がでていることもあります。一度、歯科医院にでご相談ください。
その他（どこからか出血する）
出血の原因がはっきりしない場合、歯周病だけでなく口腔がんも考慮すべきです。
口腔がんは痛みを伴わないことが多く、そのために早期発見が難しい疾患のため、体が出しているサインを見逃さないようにしましょう。
以下のような症状は特に注意が必要です。
- 噛むことが困難であり、顎や舌の動きが制限される
- 首のリンパ節の腫れが3週間以上持続する
- 喉の痛みや声がれが6週間以上続き、喉に違和感がある
これらの症状に心当たりがある方は、早期に歯科医院や専門の病院を受診してください。
舌ガン（口腔がん）と口内炎の見分け方とは？
通常、口内炎は2週間程度で自然に治癒します。しかし、症状が長期間にわたって改善しない場合は要注意です。
口内の長期的な異常は、舌がんを含む様々な健康問題の兆候の確率が高く早期の対応が非常に重要です。
特に舌がんは初期症状が口内炎と似ていて発見が遅れる傾向があるため、自己判断せずに、歯科医師や専門の病院を受診するようにしましょう。
まとめ
口内炎を単なる炎症だと考えて放置するのは危険です。特に、症状が長引く場合は何が原因なのかを突き止める必要があります。
専門家による診断は、口内炎の症状の改善だけでなくより深刻な健康問題の早期発見にも繋がります。
一度、歯科医院を受診してみてはいかがでしょうか。