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子どものフッ素塗布はいつから?予防のために親が知っておきたい基礎知識

【監修:歯科医師 篠﨑章敬】



お子さんの虫歯予防には「フッ素」が効果的です。

しかし、
「いつから始めればいいの?」
「本当に効果があるの?」
と、疑問を持たれている親御さんもいらっしゃるでしょう。

乳歯は永久歯よりも弱く、虫歯が進行しやすいため、早めの予防ケアがとても大切です。

この記事では、フッ素塗布を始める最適なタイミングとその理由、さらに、歯科医院と家庭での取り入れ方について詳しく解説します。

フッ素塗布はいつから始めるのがベスト?

フッ素塗布のデビューにお勧めなのは、上下の前歯が生えそろう1歳〜1歳半頃です。
乳歯は生後6か月頃から生え始めますが、離乳食の初期段階はまだ咬むことが少ないため、この時期はフッ素塗布を急ぐ必要はありません。

ただし、1歳半を過ぎると食べられる物の種類が増え、虫歯のリスクが一気に高まります。
そのうえ、乳歯はエナメル質や象牙質が永久歯よりも薄く、虫歯になると進行がとても早いため注意が必要です。

一方で、生えたばかりの歯は、フッ素を取り込みやすいというメリットもあります。
そのため、1歳〜1歳半でフッ素塗布を始めることで、最も効率的に歯を強くできるのです。

フッ素塗布はいつまで続ければいい?

フッ素塗布は基本的に何歳まで続けても問題ありません。
ただし、ひとつの目安は、永久歯28本が生えそろう14〜15歳頃までとされています。
生えたばかりの永久歯も乳歯と同じく未成熟で弱いため、この時期まで継続することで虫歯予防効果を最大限に発揮できます。

「うちの子はまだやっていないから遅いのでは…」と心配する必要はありません。
フッ素塗布は気づいた時から始めても遅くはないので、今からでもぜひ取り入れていきましょう。

フッ素塗布をする3つの理由

ではなぜ、フッ素塗布は子どもの歯を守るうえで有効なのでしょうか?
その理由は主に3つあります。

1.歯の再石灰化を助けて歯を修復する
歯は、食事のたびに酸にさらされ、表面のミネラルが溶け出す「脱灰」が起こります。
フッ素は唾液のミネラル成分と協力して、溶けた部分を修復(再石灰化)する働きを持っているため、初期虫歯なら元の健康な状態に戻せる可能性もあります。

2.歯を強くする
フッ素は歯のエナメル質に取り込まれると、酸に溶けにくい強い歯質に変化します。
特に、柔らかい乳歯や生えたての永久歯に塗布することで、虫歯に強い歯を育てることができます。

3.虫歯菌の働きを抑える
フッ素には虫歯菌の活動を弱める作用もあり、酸の発生を抑えて虫歯の発症リスクを下げることができます。
子どもはどうしても磨き残しが生じやすいため、この効果はとても重要です。

「乳歯はどうせ抜けるから」と、乳歯の虫歯を放置するのは危険です。
進行が早いため痛みが出やすく、さらに、乳歯を早く失うと永久歯の歯並びや咬み合わせに悪影響を及ぼす可能性があります。

乳歯の時期からのフッ素ケアは、将来の口腔環境を守るための基盤となるものです。
フッ素は一度塗れば効果がずっと続くわけではありません。
効果を持続させるためには、歯科医院での定期的なフッ素塗布と、家庭での毎日のフッ素ケアを組み合わせることが大切です。

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フッ素の口腔ケアへの取り入れ方

ご家庭でのフッ素ケア

毎日の習慣としては、フッ素配合の歯磨き粉やジェルを使うのが効果的です。
研磨剤入りの歯磨き粉は歯を傷つける可能性があるため、「研磨剤なし」タイプをお勧めいたします。

歯磨き粉に含まれるフッ素濃度の年齢別の目安は下記のとおりです。

<フッ素濃度の目安>
◎0〜2歳:米粒程度(900~1,000ppm)

◎3〜5歳:5mm以下(900~1,000ppm)

◎6〜14歳:1cm程度(1,400~1,500ppm)

◎15歳以上:2cm程度(1,400〜1,500ppm)

フッ素ジェルやスプレーは、就寝前の使用が効果的です。
うがいができないお子さんは、吐き出すだけでも問題ありません。

また、小学校高学年あたりだと、フッ素洗口液が取り入れられることが多く、1日1回または週数回のうがいで予防効果を高めます。

歯科医院でのフッ素塗布

歯科医院では、市販品よりも高濃度のフッ素(例:9,000ppm)が用いられます。

<方法>
綿棒で直接塗る歯面塗布、マウスピースを使うトレー法、イオン導入法などがあり、年齢や歯の状態に応じて選ばれます。

<頻度>
3〜6か月に1回程度が目安です。
効果は4〜6か月ほど続くため、定期検診のタイミングでの塗布をお勧めいたします。

<費用>
一般的には1000円前後程度と、手軽に受けられます。
自治体の制度で無料になったり、保険適用されたりするケースもありますので、かかりつけの医院へお問い合わせください。

<注意点>
塗布後30分程度は飲食を控えるようにしてください。

このように、家庭と歯科医院との二本立てでフッ素を取り入れることが、虫歯ゼロを目指す一番の近道です。

お子様の歯を守るのは親御さんの習慣から

フッ素塗布は、乳歯の前歯が生えそろう1歳〜1歳半頃から始め、永久歯が生えそろう14〜15歳頃まで続けることが理想です。
歯科医院での3〜6か月ごとの高濃度フッ素塗布と、家庭での毎日の歯磨きにフッ素入り歯磨き粉やジェルを取り入れることで、効果的に虫歯を予防できます。

フッ素は、歯を修復し、歯質を強くし、虫歯菌の働きを抑えることでお子様の歯を守る、強力な味方です。
そして、最も大切なのは、親御さんが予防の習慣を子どもと一緒に始めることです。
乳歯の頃から歯科医院に通って予防を習慣化することができれば、将来の永久歯も健康に保てます。

「フッ素塗布はいつから始めるべき?」と迷っているなら、今がスタートするベストタイミングです。
大切なお子様の健やかな笑顔を守るために、今日からフッ素ケアを取り入れていきましょう。

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