歯ぎしりを改善したい!食いしばりの理由と対処法
「歯ぎしり」や「食いしばり」は顎や歯の痛み、更には頭痛や肩こり、不眠に繋がることがあります。
しかし、無意識に行なってしまうため、自分では気づきにくかったり、どう対処すればいいか悩まれる方は多いです。
また、子供と大人でも対処の方法が異なることもあります。
今回は、「歯ぎしり」の原因や対処法についてお伝えします。
1.日本人の7割が「歯ぎしり」をしていると言われています
・歯ぎしり・食いしばりは夜間だけではありません
・歯ぎしりを放置するリスク
2.なぜ歯ぎしりをしてしまうのか?
・ストレスを感じている
・睡眠が浅くなっている
・不安定な噛み合わせ
・子供の歯ぎしり・食いしばりの原因とは?
3.歯ぎしり・食いしばりの改善する3つの方法
①睡眠の質を高める
②よく噛んで食べる
③歯ぎしり・食いしばりをしないように心がける
④正しい姿勢で過ごしましょう
⑤ストレスに要注意
4. マウスピースを使用する治療方法
5. まとめ
日本人の7割が「歯ぎしり」をしていると言われています
自分では自覚のない歯ぎしり。
日本人の7割が歯ぎしりをしているとも言われています。
寝てる間に歯ぎしりをして、一緒に寝ている人を困らせてしまった経験はないでしょうか?
自分では歯ぎしりしてないつもりなのに、人から指摘されると意外とショックを受けやすいです。
歯ぎしり・食いしばりは夜間だけではありません
歯ぎしりには3つのタイプがあります。
1つ目はギリギリ歯が擦り合わさるグライディング。
2つ目は食いしばりとも呼ばれ、歯を強く噛み込むんでしまうクレンチング。
3つ目は歯がぶつかってカチカチ鳴るタッピング。
特に2番目のクレンチングは日中でも無意識に行なっていることが多いです。
歯ぎしりを放置するリスク
1.詰め物・被せ物・インプラント等に悪影響
歯ぎしりは必要以上に大きな力がかかるため、詰め物・被せ物・インプラントが欠けたり、割れる原因になることがあります。
2.頭痛や肩こり
歯ぎしりにより、頭の側面から下顎に繋がる筋肉(側頭筋)に負荷がかかると、頭部が締め付けられるような頭痛を生じます。
また、歯ぎしりで使われる筋肉は顎・首・肩にも繋がっているため、これらの筋肉に負荷がかかると、肩の筋肉が硬直し肩こりが生じます。
3.歯の擦り減り
歯ぎしりでは、自分の体重の2〜5倍の負荷がかかると言われています。
歯と歯が擦り合わさることで歯が咬耗し擦り減ってきます。
歯がすり減ってくると歯の内部の組織が表面に露出するため知覚過敏を生じることがあります。
また、噛み合わせの部分だけではなく歯の根元にくさび状の凹みが生じることもあります。
4.歯周病の進行
歯ぎしりは歯だけではなく、歯の周りの組織にも影響します。
歯の周りの組織に大きな負荷がかかると、歯茎が腫れたり、歯を支えている骨が減り、歯周病を進行させてしまうこともあります。
なぜ歯ぎしりをしてしまうのか?
歯ぎしりの原因は未解明のままです。
しかし、原因として疑われるものはあります。
また、近年の研究結果で「歯ぎしりは眠りの浅い時に起こる」ことも判明しています。
ストレスを感じている
歯ぎしりの主な原因にストレスが挙げられます。
寝てる間に、歯ぎしりを行なうことでストレスを解消しているとも言われています。
原因であるストレスを完全になくすことは難しいですが、歯や歯の周りの組織に悪影響が及ぶようであれば改善が必要です。
睡眠が浅くなっている
飲酒、カフェイン飲料の摂取、喫煙などにより睡眠は浅くなりやすいです。
浅い睡眠の時に歯ぎしりは起こりやすいです。
不安定な噛み合わせ
噛み合わせが安定していないと歯ぎしりが起こりやすいです。
高さの合わない詰め物や被せ物、インプラントなどにより噛み合わせが不安定になることがあります。
また、親知らず以外の歯を抜いたまま放置することも噛み合わせが不安定になる原因になります。
詰め物・被せ物・インプラントの噛み合わせが合わない場合は歯科医院で高さを調整してもらいましょう。
歯を抜いたままになっている場合は新しい歯をいれる治療を行ないましょう。
子供の歯ぎしり・食いしばりの原因とは?
0~1歳くらいの赤ちゃんの歯ぎしりであれば、噛む位置の調整や顎を強くする効果があります。
2~3歳のお子さまは乳歯の奥歯が生える時期で、まだ噛み合わせが定まっておらず不安定のため、違和感を感じて歯ぎしりをすることが多いです。
4~6歳頃のお子様は、乳歯から永久歯への生え変わりの時期で、顎の成長も著しいです。
顎の成長に伴い噛み合わせも変化するため、歯ぎしりで調整しようとします。
お子さまの場合は、成長と共に歯ぎしりが改善されることがほとんどです。
永久歯に生え変わった後、歯ぎしりが続かなければ特に問題ないです。
歯ぎしりによる歯の擦り減りがひどい場合は、歯科医院で診てもらいましょう。
歯ぎしり・食いしばりの改善する3つの方法
①睡眠の質を高める
・飲酒、カフェイン飲料、喫煙の量を減らしてみましょう。
アルコールやカフェイン、ニコチンは覚醒作用があり、睡眠の質を低下させます。
・寝る前のストレッチは睡眠の質を高める効果があります。
・ストレスを溜め込まないようにするのも睡眠の質を高めるには大切なことです。
②よく噛んで食べる
お子様の場合はよく噛むことで顎の成長が促され、噛み合わせが改善することがあります。
1口20回以上噛むのが理想的です。
③歯ぎしり・食いしばりをしないように心がける
上下の歯は常に閉じた状態ではなく、2~3mmの隙間が開いているのが正常な状態です。
歯ぎしりや食いしばりが起こると、上下の歯が閉じた状態になります。
就寝時は難しいですが、日中気づいたときは意識して上下の歯を当たらないように意識するのも大切です。
④正しい姿勢で過ごしましょう
正しい姿勢とは、身体の骨格が頭と腰の重心を支点に背骨と筋肉で支えられている状態です。
頭の位置がずれることで頸椎や背骨、腰が歪んでしまうと歯ぎしりが起こるとも言われています。
なるべく正しい姿勢を心がけましょう。
⑤ストレスに要注意
ストレスは歯ぎしりの大きな原因となります。
ストレスを溜め込まないように解消法を見つけてみましょう。
マウスピースを使用する治療方法
歯ぎしりを行なうと、歯に大きな負荷がかかり歯が擦り減ってきます。
歯が擦り減ってくると内部の組織が露出して、知覚過敏等の症状もでやすいです。
また、夜中に行なう歯ぎしりは自分では防ぐことが難しいです。
その場合は歯科医院でナイトガードと呼ばれるマウスピースを作ることをお勧めします。
ナイトガードは寝ている間でも装着でき、歯を守ってくれます。
ギリギリという不快な音も軽減することもできます。
市販の物もありますが、歯科医院では型どりを行なって作成するため、自分の口にフィットするナイトガードができます。
ナイトガードは保険が適用されます。費用の目安は4000円〜5000円くらいです。
※マウスピースは歯ぎしりを根本的に治すことはできません。あくまで歯ぎしりから歯や歯の周りの組織を守るものとして使用していただけるといいかと思います。
まとめ
歯ぎしりの背景には様々な原因があり、改善が難しい症状の1つです。
まずは、歯ぎしりにより歯や歯の周りの組織がダメージを受けてないか定期検診でチェックをしていきましょう。
歯科医院ではナイトガードと呼ばれる就寝中でも使えるマウスピースを作成することができます。
大切な歯や歯の周りの組織を強いダメージから守り、歯ぎしりの音を軽減するなどの効果が期待できます。
患者様によってはマウスピースが適さない(顎関節症の方や、マウスピースをはめることに抵抗感がある方など)もいらっしゃいます。
お口の状態を拝見して、どんな方法が良いかご提案させていただければと思います。