自分の口臭をチェックする方法。意外なニオイの原因とは?
口臭には様々な原因がありますが、どれだけ歯磨きやケアをしても改善されない場合には、お口の中で「虫歯」「歯周病」が進行しているかも知れません。
今回は、「口臭のセルフチェック方法」、「歯科医院で行う口臭検査」、「口臭の改善方法」についてお伝えします。
1.自分の口臭をセルフチェック
・唾液でチェック
・ビニール袋を使用する方法
・口臭測定器を使用する方法
2. 歯科医院でできる口臭検査とは?
・「病的な口臭」と「整理的な口臭」その原因とは?
・口臭には種類があります
・口臭にうがい薬は効くの?
3. 口臭には「歯周病治療+舌清掃+うがい薬」が効果的
自分の口臭をセルフチェック
まずはセルフチェックを行なってみましょう。
ご自身の口臭のセルフチェック方法をご紹介します。
唾液でチェック
ティッシュやガーゼで、舌や歯の表面や歯と歯茎の間などを拭き取り、着いた唾液の臭いを嗅ぐという方法です。
唾液の臭いは口臭の原因になります。
ビニール袋を使用する方法
ビニール袋に息を吐き出し膨らまして嗅ぐという方法です。
ただ、起床時だけは避けて行なってください。
起床時は誰でも「生理的口臭」がします。
それは、寝ている間は唾液の量が少なくなり、口の中で細菌が繁殖しやすくなり、口臭がしやすくなるからです。
唾液が出てくれば「生理的口臭」はなくなります。
口臭測定器を使用する方法
口臭は機械でも測定可能です。
市販の口臭測定器は、1000~5000円程で購入できます。
唾液やビニール袋を使用する方法だと臭いに慣れている場合は判断がつきにくいです。
しかし、機械であれば客観的に判断できるのでお勧めです。
歯科医院で使用する機械と比べると、口臭以外の臭いも検知してしまうこともあり(マウスウォッシュや歯磨き粉の臭い等)精度は低いです。
歯磨きやマウスウォッシュを使用した後は数分空けてから使用するのが良いです。
歯科医院でできる口臭検査とは?
一部の歯科医院(大学病院や口臭外来のある歯科医院)では口臭測定を行なうことができます。
口臭測定では、「オーラルクロマ」という医療機器が有名です。
この機械で、口臭の原因となる主な物質、硫化水素・メチルカプタン・ジメチルサルファイドの濃度を測定し、口臭の度合いを計測します。
その後、虫歯や歯周病治療を行ない、口臭が改善したかどうかを再度「オーラルクロマ」で確認します。
この機械は精度が高く、短時間で行なうことができるため、患者さんへの負担も少ないです。
「病的な口臭」と「生理的な口臭」 その原因とは?
体も口の中も全くの無臭の人はいません。
しかし、それが他人を不快にさせれば問題が出てきます。
口臭には「生理的な口臭」と「病的な口臭」があります。
生理的な口臭とは生まれ持った体質による口臭(例えば、舌の根元部分の舌苔など)を指しますが、対して「病的な口臭」は歯周病や虫歯が原因で生じるものを言います。
例えば、歯周病の患者さんは歯周病が進行するほど口臭を伴うことが多いです。
歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなり、ポケット内の滲出液が増え、滲出液の中に含まれる白血球やタンパク質を、細菌が分解することで口臭の原因に繋がります。
また歯周病菌の多くは臭い物質を増産するためです。
このように、歯周病と口臭は深い関係があります。
口臭には種類があります
大学病院などの口臭外来の患者さんのうち、本当に口臭を認められる「真性口臭症」は6割程度で、あとの4割は「仮性口臭症」(※)や「口臭恐怖症」とメンタル面が大きく関係するものです。
また6割の真性口臭症のうち生理的口臭症が1/3、病的口臭症が2/3という内訳です。
胃腸や肝臓、膵臓などの内臓疾患が原因で口臭がすることもありますが、実際は全体の数パーセントと少ないです。
※「仮性口臭症」・・・検査しても口臭がないが患者さんが口臭を訴えること
口臭にうがい薬は効くの?
洗口液(うがい薬)には、抗菌作用を期待するもの、臭いの原因物質を不揮発性にするもの、マスキング効果を期待するもの(香料を加えて口臭を他の不快でない臭いで覆い隠す効果がある)等があります。
しかし、現時点では口臭治療の補助療法にしかすぎません。
歯周病や虫歯治療、歯磨きと併用して使用するのがお勧めです。
口臭には「歯周治療+舌清掃+うがい薬」が効果的
歯周検査により歯周ポケットが4mm以上ある方は歯肉炎や歯周病が疑われます。
歯周病患者さんの口臭が全て歯周ポケットから臭ってきているわけではありません。
歯周ポケットといっても口の中に面している部分は非常に小さいので、歯周ポケットの入り口から臭いが出てきていると考えるのは非現実的です。
歯周ポケット4mm以上の人は4mm未満の人に比べて舌苔量が4倍も多く、臭いの原因物質の発生が多いというデータもあるので、口臭のある歯周病患者さんの場合でも、まず舌清掃をすることは大切なことです。
従って、歯周病患者さんの場合は、歯周治療に加えて舌清掃を行ない、必要に応じて洗口液を使用してもらのが効果的だと考えられます。