歯科コラム

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神経のない歯なのに痛いのはなぜ?根管治療後の歯の痛みの6つの原因

【監修:歯科医師 篠﨑章敬】


口元の写真

以前に虫歯による歯の痛みがひどくなり、歯科医院で根管(歯の根の中にある神経が通っている管)の治療で神経を抜いたにもかかわらず、また歯に痛みを感じる・・・そのような経験はありませんか?
痛みが続く場合には、根管に問題があるかもしれません。根管治療をしたあとにまだ歯が痛む場合に考えられる6つの原因を検討し、その対処法をご紹介します。

歯槽骨炎になっている

何度も歯科医院に通院して根管治療(歯の根の治療)を行い、細菌に感染した歯と歯の神経をきれいに取り除いて、適切に密封し、被せ物もしっかり入れました。しかし、細菌が歯の根の周りにある骨にまだ残っていた場合、その骨の部分が炎症を起こして痛みを感じる可能性があります。

根管治療で死んだ歯の神経や細菌を完全に取り除けていない場合は、再度治療する必要があります。しかし、歯槽骨の炎症だけであれば、炎症を抑える薬や抗生物質で治療します。

根管治療中に虫歯になってしまう

根管治療が終わった後でも虫歯になることがあります。根管治療で神経を取り除いたあとに、痛みがなくなったからといって歯科医院に行かずに放置していると、やがて歯の根の部分が虫歯になり抜歯をせざる得ない状況になることがあります。歯の根の部分は虫歯になりやすいのです。また神経を取り除いたあと、被せ物をするまでの期間は歯に空いた穴を仮の蓋で塞ぎますが、その仮の蓋が取れてしまい、そこから細菌が入って虫歯になることもあります。

多くの歯科医院が根管治療を行う時に被せ物が入るまで必ず通ってください、というのには理由があるのです。

歯の根の端から詰め物やまたは空気が漏れている

根管治療では、歯の根の中をきれいに清掃し消毒も終わったら、詰め物を入れて密閉していきます。その詰め物が歯の根の先端から染み出す可能性があります。このことが原因で歯の根の周辺が圧迫されて痛みが引き起こされることがあります。
まれですが、小さな気泡が根の先端から押し出され、神経を圧迫して痛みを引き起こすこともあります。

少し時間がかかるかもしれませんが、どちらの場合も痛みは自然に治まるはずです。

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被せ物が大きいために歯に圧力がかかっている

根管治療で歯の根の中の清掃が終わり、土台を入れたら最後に被せ物をします。しかし、この被せ物が大きいために、反対側の歯に強い力で当たってしまい、根管治療した歯に圧力がかかって痛みを引き起こすことがあります。
この場合は比較的簡単に対処できます。歯科医院で被せ物と歯が強く当たっているところを削って調整してもらいましょう。
しかし、痛みは3〜5日間続くことがあります。

薬剤が根の先端から漏れる

根管治療では、歯の根の中を清掃し消毒をするために防腐剤や薬剤を入れていきます。薬剤を使って残っている細菌や死んでしまった神経組織を溶解し、それをかき出して取り除くことを数回繰り返します。細菌や死んでしまった神経組織が残ってしまうと再び炎症を引き起こすからです。

まれに、根の先端から薬剤が漏れ出し、痛みが生じることがあります。
この場合は歯科医院でその漏れだした薬剤を洗い流し、痛みが治まるまで数週間は抗生物質と鎮痛剤を服用する必要があるかもしれません。

感染した根管を見落としていた

歯の根の中には管が通っています。特に大臼歯(奥歯)では複数の管があることがあり、見つけ出すのが難しいことがあります。歯科医院で感染した管を見落とし、歯の中に少し神経が残ったり、細菌が感染して増殖するためのスペースを残してしまう可能性があります。

神経が残されている場合、歯は治療をする前と同じように熱さや冷たさを感じることがあります。また細菌の感染を引き起こしている場合は、歯に圧力がかかった時に痛みを感じることがあります。
どちらの場合も自然に解決することはありません。改めて根管治療をやり直す必要があります。
根管治療をした歯が治療後に痛みを感じている場合は、放置して症状が悪化しないようにすぐ歯科医院に相談しましょう。

まとめ

根管治療をした歯に痛みを感じる場合は、様々な要因が考えられます。違和感や痛みを感じた時はすぐに歯科医院にご相談ください。

そして根管治療が終わったあとは、毎日のケアが非常に重要です。
歯の神経を抜いてしまって痛みを感じない歯でも虫歯になります。根管治療をした歯は脆くなっていて、残っている歯の根の部分が割れたりひびが入ってしまう可能性が高まります。割れたり、ひびが入ったところから細菌に感染するのです。
被せ物をしていても、歯の根の部分は自分の歯が残っており被せ物との小さな隙間から細菌に感染して虫歯になることもあります。

痛みや自覚症状が出にくいからこそ、歯科医院で定期的にチェックを受けることが重要になってきます。何も症状がないとしても、定期的なクリーニングとチェックを受けることをおすすめします。


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