顎関節症になったら何科を受診するの?顎関節症の症状と原因は?
「口が開けにくい」
「顎を動かすと音がする」
これらは顎関節症の代表的な症状です。
顎関節は、下顎を頭蓋骨に接続している関節で、左右の耳の前にあります。私達はこの顎関節で顎を動かして、話したり食べたりしています。
日本顎関節学会のデータによると、顎関節に何らかの症状がみられる人は1,900万人と推定されています。男性よりも女性に症状がみられることが多いことも特徴です。顎関節症は治療可能ですが、その症状には様々な原因が考えられるため、適切な診断と治療を受けることが大切です。
しかし、顎関節症になったら何科で診てもらうのか?と思われるかもしれません。
顎関節症は、口の中、口や顎周りの筋肉が原因になっているので、歯科医院を受診してください。診断では必要に応じてCT撮影やレントゲン撮影を行うこともあります。
顎関節症の原因は?
多くの場合、顎関節症は様々な要因が重なって引き起こされています。顎や関節への外傷が影響を及ぼしている可能性もあります。また他の病気や健康状態が影響を与えている可能性も指摘されています。
【顎関節症の原因の例】
- 長時間のストレス
- 偏った食生活
- 睡眠不足
- 歯の嚙み合わせ
- 習慣的な歯ぎしりまたは歯の食いしばり
- 首や顔の筋肉に負担をかける姿勢
顎関節症の症状とは?
顎関節症の症状は、全身の健康状態や顎関節の状態などによって異なり、個人差があります。
顎関節症の最も一般的な症状は、顎関節周辺の筋肉の痛みとされています。その他にも次のような症状がみられるケースもあります。
【顎関節症の症状の例】
- 顎の筋肉がこわばる
- 顎が動きにくくなる
- 口を開けない、閉じられない
- 口を動かすと顎関節部分から音がする
顎関節症の症状は、顔の片側だけに現れることも、両方に現れることもあります。
顎関節症の診断について
顎関節症は、様々な要因が重なって発症していることが多いために、決められた標準的な検査などはありません。
顎関節症の症状がある場合は、まず歯科医師がお話を聞き、問題のあるところを調べます。実際に触って腫れや圧痛があるかどうかを確認することもあります。必要と判断すれば、以下のような画像検査を行います。
- レントゲン撮影
- 骨と関節組織を確認するための顎のCTスキャン
- 顎の構造に問題があるかを確認するための顎のMRI
顎関節症の治療方法は?
顎関節症の症状の中には、自宅でセルフケアを行うことで症状を軽くできる場合があります。顎関節症の症状を和らげるには、次のこと気をつけてみましょう。
- チューインガムや固い食べ物を避け、やわらかい食べ物を食べる
- 腫れている場合は氷で冷やす
- ストレスを減らすようにする
- 顎の筋肉をほぐすマッサージをする
症状が改善しない場合は、歯科医師の指示に従いながら、薬物療法やアプライアンス療法で改善を試みます。
- 鎮痛剤(イブプロフェンなど)、顎の筋肉をリラックスさせる薬(フレクセリル、ソーマ、バリウムなど)
- 顎の腫れ、炎症を抑える薬(コルチコステロイド薬)
- 歯ぎしりを防ぐためのマウスピース(スプリント)
- ストレスを軽減するための認知行動療法
顎関節症にならないためには?
顎関節症の発症を完全に防ぐことは困難ですが、悪い生活習慣をあらため、ストレスを減らすことで症状を軽減できる可能性があります。
普段から姿勢に気をつけてみたり、睡眠を十分に取り、栄養のある食事を取ることを心掛けてください。
緊張する仕事や対人関係をできるだけ避け、リラックスできる時間を増やすことでストレスを減らしましょう。
顎関節症は治るの?
顎関節症の治療方法は、その原因によって異なりますが、おおよそ1ヶ月から6ヶ月ほどの治療期間が必要となります。
顎関節症は生活習慣が大きく関わる病気なので、適切な診断を受けて、歯科医師の指示に従って治療を受けながら、セルフケアで生活習慣を見直すことで症状は良くなってきます。
ただ、もし、あなたの顎関節症が関節炎などの慢性的な疾患によって引き起こされている場合は、生活習慣の見直しだけでは改善できないので、歯科医師に相談し、症状に合わせた適切な治療を受ける必要があります。
まとめ
顎関節症は命に関わる病気ではありませんが、軽度のものも含めると多くの人が悩まされている病気でもあります。
ひどくなれば日常生活にも支障をきたす場合もあります。
症状には個人差がありますので、あなたに合った治療の選択肢を見つけることが大切になります。少しでも気になる症状を感じることがありましたら、お気軽にカルナデンタルクリニックへご相談ください。