歯が痛いのは副鼻腔炎が原因?上顎の奥歯が痛むときの原因と対処法
口臭は自分ではわかりにくいもの。「自分が気づいていないだけで、実は周りの人に不快な印象を与えてしまっているのでは・・・」と不安になったことはありませんか?日頃の口臭予防は大事なエチケット。口臭の原因と対策についてご紹介します。
1、その歯痛は副鼻腔炎かもしれません
2、通常の歯痛と副鼻腔炎による歯痛の違いは?
3、副鼻腔炎を発症する原因は?
4、虫歯が原因で起こる痛み「歯性上顎洞炎」
5、副鼻腔炎による歯の痛みを和らげるための対処法
6、歯の痛みの原因が分からない時は歯科医院に相談しましょう
その歯痛は副鼻腔炎かもしれません
歯に痛みがある場合、虫歯や歯周病、その他のお口の中に問題があると思われるかもしれません。しかし、あなたの歯の痛みの原因はお口の中の問題によるものではなく、本当の問題は「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」かもしれません。
副鼻腔(ふくびくう)は、目や頬骨の後ろ、額に位置する4つの空洞の部分です。
副鼻腔は、吸い込んで体内に入る空気を湿らせ、温める役割があります。また副鼻腔内にある粘膜や繊毛と呼ばれる小さな毛が、空気、粘液からバクテリアやウイルスをろ過して肺に入るのを防ぐ働きをしています。
しかし、副鼻腔内の粘膜が炎症を起こすと、副鼻腔の内側に膿を含んだ鼻水が溜まり粘膜が腫れて頬や両目の痛み、頭痛を引き起こします。これが副鼻腔炎です。
そして副鼻腔炎はしばしば上顎の歯の痛みにつながります。
これは、特に頬骨のうしろ、鼻の両側にある上顎洞が関係しています。上顎洞には上顎の歯の根が入り込んでいることが多く、副鼻腔炎になると副鼻腔内が腫れて上顎の歯の付け根に圧力がかかり痛みが発生するのです。
通常の歯痛と副鼻腔炎による歯痛の違いは?
虫歯や歯に関連する痛みの症状は、通常、固い食べ物を噛んだり、温かいもの、冷たいもの、甘い食べ物を食べたりするときに特定の歯に鋭い痛みや知覚過敏の症状が出ます。
一方、副鼻腔炎が原因で歯が痛む場合は、複数の歯、特に大臼歯(奥歯)に痛みを感じます。前歯に痛みがある場合は、副鼻腔炎が原因であることはほぼありません。
その他、副鼻腔炎になると歯の痛み以外にも、以下のような症状がみられます。
【副鼻腔炎により生じる症状(例)】
- 目の周りや額の圧迫感や圧痛
- 嫌な臭いが鼻や口の中からする
- 濃く青みがかった粘りのある鼻水が出る
- 頭を動かしたり、立ち上がる、または横になるなどの動作をする時に頭痛がする
- 耳の痛みがある
- 喉の痛みがある
副鼻腔炎を発症する原因は?
副鼻腔炎は、副鼻腔の組織に炎症を起こす可能性があるものによって引き起こされます。
【副鼻腔炎の原因(例)】
- 風邪やインフルエンザようなウイルス感染
- 呼吸器感染症
- アレルギー性の鼻炎
- たばこの煙のような汚染物質
- 喘息の合併症
虫歯が原因で起こる痛み「歯性上顎洞炎」
虫歯が原因で副鼻腔炎になることもあります。
奥歯の根の部分が上顎洞(じょうがくどう)に入り込んでいることがあるため、奥歯が虫歯になり根の先に膿ができると細菌が上顎洞に入ってしまうことで引き起こされます。
上顎洞炎の10~30%は歯が原因で発生しており「歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)」と呼ばれます。
以前の研究では、この割合は約10%と推定されていましたが、CTスキャンなどの画像処理の進歩により歯からの感染によるものが一般的であることが明らかになりました。
この歯が原因の上顎洞炎の人は、抗生物質や炎症を抑える薬で痛みを抑え、虫歯の治療が必要になります。
副鼻腔炎による歯の痛みを和らげるための対処法
副鼻腔炎による歯の痛みを取り除くには、粘りのある鼻水を取り除き副鼻腔の炎症を軽減する必要があります。
炎症が治まれば、歯につながる神経への圧力がなくなり痛みも治まります。耳鼻咽喉科で診てもらうほかに、自分でできる対処法も試しておきましょう。
<睡眠を十分にとる>
副鼻腔炎が風邪によるものである場合は特に、体を自己修復するために睡眠が必要です。副鼻腔に鼻水を閉じ込めないように、必ず頭を上げておいてください。
<水分をとる>
無糖のジュースや水をたくさん飲みましょう。水分が少ないと副鼻腔内の鼻水の量が減り粘りが出て細菌やウイルスを排出にしくくなります。カフェインを含むコーヒーやお茶は利尿作用があるためかえって水分が減少するので避けてください。
<蒸気を吸う>
蒸気は鼻腔を開き、粘りのある鼻水を排出させます。温かいシャワーを浴びたり、家庭料理の蒸気を吸ったり、カフェインを含まない温かいお茶を飲んだりすると良いでしょう。1日に数回実行してください。
<辛いものを食べる>
香辛料を含んだ辛い食べ物は、副鼻腔の粘膜や舌の知覚神経を刺激して、鼻の粘膜から鼻水を出します。熱くて辛い物はさらに効果がありますが食べすぎには注意しましょう。辛さが苦手な方はペパーミントをお試しください。
歯の痛みの原因が分からないときはカルナデンタルクリニックへご相談ください
歯の痛みの正確な原因がわからない場合は、歯科医院に行くことをお勧めします。カルナデンタルクリニックでは、歯科用CTも完備しているので、痛みの原因が虫歯なのか、それ以外のものなのかを診断することが可能です。
痛みのある歯に虫歯などの問題がなく、熱さや冷たさにも痛みを感じないのであれば、副鼻腔炎が原因である可能性が高いでしょう。
痛みが副鼻腔炎によって引き起こされていることが明らかになれば、耳鼻咽喉科で専門の治療を受けていただくことになります。副鼻腔をきれいにし、炎症を抑える薬や抗生物質を処方してもらえるでしょう。
原因の分からない歯の痛み、身体を動かしたときのズーンと響くような違和感があれば、まずはお気軽に当院へご相談ください。