歯科コラム

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子どもの歯ぎしりが心配という親御さんへ

【監修:歯科医師 篠﨑章敬】


レジャーシートに笑顔で寝転ぶ三人の子供

お子さんと一緒に寝ることは、とても心地よい時間ですよね。幸せそうな寝顔を見て、癒される方も多いはず。ただ、そんなときに、「ギリギリ」と強烈な歯ぎしりに遭遇し、びっくりされる方もいます。今回は、子どもの歯ぎしりについてご紹介いたします。

子どもは、なぜ、歯ぎしりをするのでしょうか

睡眠中の歯ぎしりの原因は、様々です。大人の歯ぎしりには、精神的なストレスにより眠りが浅いこと、悪夢、睡眠時無呼吸症候群等、ネガティブな原因も挙げられます。一方、子供の歯ぎしりは、原因が異なります。

●大人に比べて眠りが浅い
こどもは大人に比べて眠りが浅く、大人のように睡眠のリズムが整っていません。歯ぎしりは眠りの浅い時間に起こりやすいため、多くのお子さまに歯ぎしりが見られるのは自然のことです。成長に伴って睡眠の構造が発達してくると、歯ぎしりが減少していくケースも多いです。

●乳歯や永久歯が生え始めたので、かゆい から
乳歯が生え始めると、むず痒くなり、それを解消するために、歯ぎしりをします。2割程度の乳幼児が、歯ぎしりをすると言われています。

●顎(あご)の筋肉を鍛え、整える ので
食べものをよく噛むためには、あごの筋肉が大切な役割を果たします。歯ぎしりをすることで、あごの筋肉を鍛えることができます。歯ぎしりが筋トレになるんですね。

●歯並びの調整・顎(あご)の位置を調整しているから
歯ぎしりによって、生える歯(乳歯や永久歯)の位置を調整することができます。また、顎(あご)の位置は、歯ぎしりによって調整することができます。

 
子供の歯ぎしりは、原則として心配する必要がないことが、伝わりましたでしょうか。一方、治療が必要となるのはどんなケースでしょうか。

注意が必要な歯ぎしりとは?

●治療中の歯に影響をあたえる
歯ぎしりは、治療中の仮歯や、治療後のかぶせものなどが取れる原因となります。また、インプラントをしている方は、金具が外れたり取れたりしやすくなります(子どもには、影響は少ない)。

●頭痛や肩こり
歯ぎしりにより筋肉に過剰な負荷がかかると、首・肩などの筋肉に炎症が起きやすくなります。その結果、頭痛や肩こりといった症状がでることがあります。

●歯の位置が移動する・歯並びが変化する
歯と歯が強くこすれあったりぶつかりあったりすると歯が揺れ動きやすくなるため、歯並びが悪くなったり、歯の位置が動いたりすることが考えられます。

子どもの歯ぎしりが、長く続く場合は、要注意

子供の歯ぎしりは、乳歯が生えているときは、問題はありません。一方、永久歯が生えそろってからも、続いている場合は、注意が必要です。

永久歯が、睡眠時の歯ぎしりによって削れる場合、永久歯を守るために「ナイトガード」(夜専用のマウスピースのようなもの)を使用することがあります。

一つの目安として、6歳を過ぎても歯ぎしりが続くようであれば、一度歯医者さんで相談してみましょう。

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おうちでできる歯ぎしりのセルフケア方法

●よく噛んで食べましょう            
よく噛んで食事をする子供は、歯ぎしりが少ないという傾向があります。
よく噛むことで、顎(あご)が成長し、噛み合わせがよくなります。食事中は、噛むことに集中し、楽しむ環境が必要です。

●正しい姿勢で過ごしましょう
猫背は、顎(あご)関節の働きが悪くなり、歯ぎしりの原因となります。
背筋を伸ばすことを心がけましょう。

●ストレスに要注意
ストレスは、歯ぎしりの原因のひとつです。子供のストレスを軽視せず、真摯に対応することも、必要と思います。歯ぎしり防止以上の素晴らしい効果があるはずです。

●歯ぎしりの相談もお気軽に セルフケア以上の効果を約束します
 今回は、子供の歯ぎしりについて、紹介させていただきました。子どもの歯ぎしりは、基本的には心配ありませんが、遠慮なくご相談いただけると嬉しく思います。 歯科医師は、専門家として、きっとお役にたてるはずです。


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