親知らずが虫歯に?!痛いと思った時の対処法と抜歯が必要なケース
「親知らずが虫歯になって痛い」「親知らずを抜かないといけない」と耳にすることはありませんか?親知らずは虫歯になりやすく、お口の中のトラブルを引き起こす原因になりやすい歯です。あなたが安心して治療を受けられるように、親知らずについての正しい知識を紹介していきます。
親知らずとは?
親知らずは、15歳から20歳前後にかけて奥歯の一番奥に生える歯です。親が気づかないうちに生えてくることが名前の由来だと言われています。かつては普通に奥歯の一本として生えていました。
親知らずは、他の永久歯がすべて生えそろってから出てくるのですが、現代人は食生活の変化に伴って顎が小さくなり、親知らずが生えてくるスペースがなくなってしまいました。そのために斜めに生えてしまったり、歯茎の中に埋もれてしまったりするようになり、お口の中のトラブルを引き起こす原因となっているのです。
親知らずが原因になる痛み
●親知らずや手前の歯が虫歯になっている
口の中で一番奥にある親知らずは、歯ブラシが届きにくく、頬の内側が邪魔しているので歯ブラシに角度をつけたり細かく動かすことも難しい場所にあります。そのうえ斜めに生えたり、一部だけが出ていたりするので、手前の歯との間に隙間ができやすく、汚れが溜まり、虫歯になって痛みが起こるケースがあります。
●智歯周囲炎(ちししゅういえん)になっている
智歯(ちし)とは親知らずのことです。智歯周囲炎は、親知らずの周辺の歯茎で雑菌が繁殖することにより炎症が起こることです。炎症による痛みのほか、歯茎や顔が腫れたり、お口が開きにくくなったりすることもあります。智歯周囲炎は病状が進行すると、顎の骨の中に膿がたまり、激しい痛みや発熱・倦怠感などが起こることもあります。
●親知らずが生えてくるときの痛み
親知らずが生えてくるとき、歯茎や隣の歯を押してしまうために痛みが生じることがあります。親知らずが生えてくるスペースが狭い場合、余計に押される力が強くなってしまい、強い痛みになるケースもあります。
●親知らずが噛み合わないために、歯茎や頬の肉を傷つけている痛み
親知らずは、真っすぐに生えることが少ないので、上下で噛み合う相手の歯がないことが多いです。そうすると親知らずがどんどん飛び出してしまい、反対側の歯茎や頬の肉を噛んで傷つけてしまうことがあります。
親知らずは必ず抜かないといけない?
親知らずは必ず抜くというものではありません。親知らずがきれいに生えていて、噛み合わせもできて奥歯として機能しているのであれば、抜かずに置いておく場合もあります。しかし、抜いておいた方が、長い目でみるとお口の中の健康のためには良いケースが多いです。
●親知らずはほとんどが斜めに生えてくるため
親知らずがきれいに生えることは稀です。多くは斜めに生えてしまい、痛みの原因になったり、歯並びや噛み合わせに悪い影響を与えるため、早めに抜いておいた方が良いケースが多いのです。
●親知らずが生えてきていなくても、抜く場合がある
親知らずが歯茎の中に埋もれていて出てきていなければ大丈夫、ということでもありません。歯茎の中で完全に横向きに生えてしまっていて、手前の歯を圧迫したり吸収して溶かしてしまうことがあります。痛みがある場合はもちろん、痛みがない場合でも他の歯に悪い影響が出る可能性があれば、歯茎の中に埋まっている親知らずでも抜くことがあります。
親知らずのケア
●虫歯や炎症を起こさないためにクリーニングを
歯みがきが難しい場所にある親知らずですが、できる限りのクリーニングを心掛けましょう。定期的に歯医者さんでクリーニングを受け、自宅では通常のブラッシングに加えて、デンタルフロスやマウスウォッシュ(洗口液)などを活用するのがおすすめです。
●智歯周囲炎にならないように生活習慣を改善する
親知らずの痛みで多いのは、実は智歯周囲炎による痛みです。
クリーニングによって親知らずの周囲に細菌や汚れが溜まらないようにすることは重要ですが、ストレスや疲労による免疫の低下も発症に関係しています。十分な睡眠、栄養バランスの取れた食事と適度な運動など免疫力を高めるための生活習慣を取り入れましょう。
●妊婦の方は抜歯ができないかもしれません。事前に親知らずの状態を確認しましょう
妊娠中はホルモンバランスが崩れて歯茎が炎症を起こしやすい状態になります。もし、妊娠中の方が親知らずに痛みが出た場合は、よほど強い痛みや腫れがなければ、できるだけ抜歯をせず、消毒や薬で対応することになります。心配のある方は、事前に歯医者で親知らずの状態を確認しておくことをおすすめします。
まとめ
親知らずは、セルフケアが難しい歯ですので、定期的に歯医者でチェックを受けることおすすめします。もし親知らずが虫歯になっていたり、他の歯に悪い影響をあたえていたりするようであれば、歯医者に相談して親知らずを抜くことも検討してみてください。