前歯がしみるときは要注意!知覚過敏と虫歯の見分け方
冷たいものがしみる、歯ブラシで磨くと痛いということはありませんか?「しみる」という症状は、もしかしたら歯からのSOSかもしれません!自己判断でそのままにするのは危険です。
しみる原因は「知覚過敏」なのか、「虫歯」なのか?2つの違いについてお話していきます。
「しみる」など、前歯に痛みが出やすいのはなぜ?
前歯は、奥歯に比べて平たくて薄い形状のため、虫歯や外傷などによってダメージを受けやすい歯です。特に上の前歯は、下の前歯よりも唾液が行き届きにくい場所にあります。唾液には歯を守るための「再石灰化」の働きがありますが、その効果が発揮されにくい状態だと、前歯は虫歯になりやすくなってしまいます。
また、「前歯がしみる」原因や症状は様々あります。日常生活に支障が出ていなければ、何となくそのままにしてしまっているという方も多いのではないでしょうか。
しかし、注意していただきたいのは、「痛みが出ている」時点で虫歯などの病気が進行している可能性あるということです。まずは、歯がしみる原因を特定しましょう!
「しみる=知覚過敏」とは限らない
歯が黒くなっていないし、穴も開いていない…これはテレビのCMでよく聞く「知覚過敏」なのかもしれない。そう考える方もいるかもしれませんね。
知覚過敏とは、歯ブラシの毛先が触れた時、冷たいものを食べたり飲んだりした時、甘いものや風にあたった時などに、一時的に感じる痛みのことです。この場合、虫歯や歯の神経の炎症といった病気はみられません。歯の表面にある「エナメル質」の下にある「象牙質」と呼ばれる部分が露出してしまうことで痛みが起こります。
知覚過敏の原因は、
・強い力で歯磨きをすることで歯の表面がすり減った
・加齢や歯周病により歯肉が下がった
・長期間の歯ぎしりや強い食いしばりによって歯の根元が欠けた などが挙げられます。
しかし、前歯がしみる原因は「知覚過敏」以外にも、虫歯、歯の外傷、口内炎、歯以外の病気など様々な病気が考えられます。
では、「虫歯」による痛みは知覚過敏とどのように違うのでしょうか?
虫歯になっている場合、知覚過敏とは異なって痛みは持続的に続きます。
歯を軽く叩いたり、食べ物を噛んだり、冷たいものだけでなく熱いものを食べたりすると痛みが強くでます。
「しばらくしたら痛みが落ち着いた」という場合は要注意!虫歯をそのまま放置してしまうと、虫歯が進行して歯の神経にまで達し、神経が死んでしまう場合もあるので注意しましょう。
神経が死んでしまうと、歯の根っこの先端に炎症が起きて膿がたまっていきます。この状態だと、歯を支えている顎の骨を溶けて歯がグラグラする、強い痛みや腫れがでるといった症状がでることも考えられます。
「知覚過敏」と「虫歯」の区別は自己判断では難しいため、まずは歯科医院を受診してレントゲンを撮るなど、きちんと診査・診断をうけましょう。
前歯が虫歯になってしまったら
もしも前歯が虫歯になっていたら、虫歯の状態によって治療方法は異なります。
<小さな虫歯の場合>
虫歯を取り除いた後、白い樹脂の詰め物で修復します。見た目は目立ちにくく、その日の内に1回の治療で終えることができます。保険診療内の治療方法ですが、材質の特性上、経年劣化による「変色」や「欠けてしまう」といったデメリットもあります。
<大きな虫歯の場合>
「前歯の大部分が虫歯になっている」「神経まで虫歯が進行していた」といった場合は、虫歯を取り除いて神経の治療をした後、前歯の被せ物の型とりをして修復していきます。
前歯の被せ物には、保険診療・自費診療の2種類があります。
・前装冠(保険診療)
金属でできており、正面の見える部分は白い樹脂が貼り付けてある被せ物です。金属冠のため自分の歯のような透明感はありません。
・セラミック、ジルコニアなど(自費診療)
自分の歯と同じような透明感や色合いに調整することができ、耐久性・清掃性にも優れた被せ物です。材質にこだわることができますが、保険が適用されません。
目立つ場所だからこそ、早めの受診をお勧めします
前歯の治療をする際に、「目立ちますか?」「審美面にこだわりたいです」と見た目を気にされる方も数多くいらっしゃいます。
審美面にこだわるとなると保険診療では限界がでてきてしまうため、自費診療をおすすめすることになります。ただ、費用も大きくなるため悩む方も少なくありません。
やはり、ご自身の歯に勝るものはないのです。
あなたの歯を守るためにも、前歯がしみたり痛んだりする時は、「原因は何か」を早めに診断してもらうことが重要です。もしも虫歯ができていても、早く発見できれば治療も最小限で済みます。自己判断せず、まずは歯科医院に相談してみましょう。