舌が白いのは、体からのSOS? 疑うべき4つの病気
舌は発音や食事に欠かせない器官ですが、体の健康状態を調べるバロメーターとしての役割も担っているのはご存知でしょうか。
健康な舌の色は薄い赤色ですが、「舌が白く口臭を伴う」「舌の一部が白く、痛みを伴う」という状態が続くと、少し心配ですよね。
今回は、舌が白いときに疑われる病気とセルフチェックの方法についてご紹介致します。
舌が白くなる主な病気の種類
舌の表面には多くの「舌乳頭(ぜつにゅうとう)」と呼ばれる突起があり、体調によって色味は変化します。
特に多くみられるのは白色の舌ですが、中には舌自体の病気が潜んでいる可能性もあるので注意しましょう。
●舌癌(ぜつがん)
舌の前側3分の2と、主に舌の縁にできるがんです。
発症初期は舌に「しこり」が形成されるのみで、痛みや出血などは伴いません。
しかし、進行するとがんの病変部に「表面が白い潰瘍」が形成され、痛みや出血も伴うこともあり「腐敗臭」を放つようになります。
50代以降の男性に多く発症し、物理的な刺激が発症に関与していると考えられています(虫歯、飲酒、喫煙、合わない入れ歯、歯並びが悪く常に当たる部分があるなど)。
早い時期から頸部リンパ節に転移して急速に進行する場合があるのもひとつの特徴です。
●アフタ性口内炎
一般的な口内炎です。5mmほどの白い偽膜(ぎまく)を作ります。原因は様々ですが、お口のお手入れ不足や偏った食事、ストレスなどが考えられます。
舌だけでなく頬の粘膜や歯茎などにもでき、強い痛みを伴うことがあります。
●白板症(はくばんしょう)
舌の表面が角化したり肥厚(ひこう)したりすることで、白い板が付着したようになる病気です。
ビタミン不足、虫歯や歯並びの乱れ、喫煙などの刺激によって引き起こされます。
舌がんの前兆となることもあり、舌の縁や下面にできた白板症は約10%ががん化すると言われています。
白くなった部位は擦っても取り除くことはできず、痛みも生じないため病変に気づかないケースも多いとされています。
●口腔カンジダ
カビの一種であるカンジダが口腔内に感染する病気です。重度な糖尿病や、抗がん剤治療中などによって免疫力が低下した方がなりやすく、特に乳児で発症するものを「鵞口瘡(がこうそう)」と呼びます。
白く変色した部分はお口の粘膜に広がることが多く、固く乾燥した塊を作ります。無理にはがそうとすると出血や痛みを伴うため、乳幼児では哺乳力の低下による体重減少につながる場合もあるため注意が必要です。
舌癌かどうかのセルフチェック方法
舌に関わる病気にも様々なものがあります。ご自身で病気だと判断することは難しいですが、もし病気であれば早期に治療を始めることで回復も早まります。
気になる場合は、日頃から歯磨きと合わせて、舌の状態も観察するようにしてみましょう。
●発症する主な年齢層
主に50歳代後半が多いですが、近年では20~40歳代の若年化も見受けられています。
ただ、どの部分のがんに関しても共通するのは「40歳」という年齢です。40歳を越えると癌になる可能性が高くなるとされています。
●発症しやすい部位
圧倒的に多いのは舌です。舌の先端や真ん中にできることは稀で、舌の側縁に発症します。
舌の他の部分に比べ病変が真っ白のため、見ただけでも怪しいと思う方もいます。また、触れてみて硬いとがんの可能性が高くなります。
●がんを見分ける方法
視診・触診に加え、最終的に確実に診断するためには、がんの疑いがある部分の「組織診断」が必要となります。
組織診断にも、病変部の一部に麻酔をして切除し調べるもの、綿棒のようなもので擦って調べるものがあります。
口腔がんは近年増加傾向にあり、20代でも発症するケースもでています。
どの病気に関しても、早期発見が重要です。お口の中は自分では見づらい部分ですので、痛みや出血がなくても気になる場合は一人で悩まず、歯科医院に相談することをおすすめします。
怪しいと思ったら、迷わず歯科医院で診断してもらいましょう
舌の汚れだと思った所をお手入れしても改善しない、硬いしこりがある、歯茎がただれた・・・。
健康な時は気にしなかった舌の状態も、ある日、違和感が生じることがあるかもしれません。
「たいしたことない」「間違っていたら恥ずかしい」と思わず、まずはきちんとした診断が必要です。
お口の中のお困りごとは、カルナデンタルクリニックへご相談ください。