黒い歯は元の白い歯に戻る? 歯の黒ずみや変色が気になる!
昔と比べると歯が黒くなってきた気がする人や一部分だけ黒くなっている人など、歯の変色を気にする人は多いのではないでしょうか?そのままにしていていいものか、治療ができるのか、変色について様々な疑問にお答えしたいと思います。
・歯が黒くなる原因は?
そもそも、通常大人の歯の色は黄色味をした乳白色に見えます。歯が黒くなるのは下記のようないくつかの要因があります。
むし歯による黒い点
黒くなるむし歯と白くなるむし歯とあり、黒いむし歯は白いむし歯に比べるとゆっくり進行していきます。しかし、外から小さく黒く見えているむし歯でも削ってみると歯の中では大きく進行している場合もあります。
歯の表面に出来た小さい黒い点は初期のむし歯、進行しているむし歯、着色汚れなどが考えられます。歯医者でチェックをしてもらい、初期のむし歯であれば予防処置を、進行しているむし歯であれば酷くならないうちに治療をしましょう。
着色汚れがついている
歯の表面のエナメル質に、食べ物や飲み物に含まれる色素が付着すると黒くなります。また、煙草に含まれる成分も、歯に付着すると茶色や黒い汚れになります。
一度ついてしまった着色を自分で取るのは難しいので、歯医者で専門のクリーニングを受けて綺麗にしてもらいましょう。また、普段から色の濃い物を口にした後や煙草を吸った後は口をゆすいだり、歯磨きをしたりして着色しないように心がけましょう。
治療して神経を取った歯は変色する
歯の神経を取る治療をした人や、歯に強い力が加わるなどして歯の神経が死んでしまった人は、歯が徐々に黒ずんできます。
【改善方法】
1)歯の裏から直接漂白剤を封入する『ウォーキングブリーチ法』があり、漂白剤の入れ替えを数回繰り返し行うことで元の白色に戻していきます。ただし、個人差があり希望の白さまで戻らないこともあります。数年すると徐々に黒ずんでしまうというデメリットもありますが、歯を削りたくないという人にはお勧めです。
2)歯を削り土台を立てて被せ物をする方法もあります。被せ物は保険診療と自由診療で選べ、歯の色味も好みの色を選ぶことができます。ウォーキングブリーチ法では歯の厚みがたりない人や好きな歯の色を選びたい人にお勧めです。
黒い歯石が付着している
歯と歯茎の境目が黒く見える場合は歯石が付着しているのかもしれません。本来、歯石の色は白色をしていますが、黒い歯石も存在します。白い歯垢に血液が混ざって出来た歯石は「黒色」をしていて、白い歯石より危険な状態なのです。歯茎から出血する原因の90%は歯周病なので黒い歯石を放置しておくと歯周病が進行していき最終的には歯を失ってしまうかもしれません。
【改善方法】・・・歯石の除去をする
歯医者へ行き、歯周病の治療をしてもらいましょう。スケーラーという専用の道具を使って綺麗に歯石の除去を行います。歯と歯茎の間の歯石は簡単に取り除くことが出来ないので、数回に分けて歯石を除去することもあります。また歯周病の状態によっては、歯茎を開いて歯石除去手術を行うこともあります。
・自己判断せず、歯医者で相談を!
むし歯によって黒くなっているのか、着色によって黒くなっているのかを『これは痛みもないし着色だから大丈夫』と自分で判断してしまうのは危険です。既に初期のむし歯になっていて、予防処置で終わっていたかもしれない歯を適切な診断を受けずにそのままにしておくと、むし歯が酷くなり神経の治療をするために歯医者に何回も通院しなければならなくなることも…。
黒い歯石を自分で取ると逆に歯を傷つけむし歯になりやすくなり、歯周病を悪化させてしまう可能性があります。目にみえていない所にも黒い歯石がついているので、歯周病が重度へと進行していきます。
重症になる前に自己判断せず、早めに歯医者へ相談しましょう!
・歯の黒ずみや変色が気になったら
歯磨きの時にデンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯石や着色をつきにくくすることが大切です。黒くなった歯石は密度が高く、白い歯石と比べると頑固についています。そのため除去をするのが難しく、お口を開けての治療も負担になってしまいます。
また、歯磨きだけで歯垢をすべて除去することは難しいので、定期的に歯医者でクリーニングする必要があります。
毎日お口の中を観察していると歯の黒ずみや変色をすぐに見つけることもできるのです。歯の異変に気づいたら、早急な治療が必要な場合もあるので、早めに歯医者を受診して適切な治療を受けましょう。