ギザギザな舌・変色している…あなたにも「危険舌」のサインがでていませんか?
毎日、舌の様子を鏡で見るという方は少ないと思います。
しかし、舌を診ることでどんなことがわかるのでしょうか?
舌診と言い、実は舌を観察することで体の状態を把握することが出来ます。
主に舌全体や、舌の表面上に付着する状態を診たりします。
舌の変化にいち早く気付くことで大きな病気も早期発見できるかもしれません。
舌はあなたの健康状態を表すバロメーター
その人の体質や健康状態がわかる舌。真っ先に変調のサインが出る場所です。
一体どんなサインが出るのでしょうか?
体の不調のサイン「不調舌」5つのタイプ
①カッカッ!熱化タイプ
“糖尿病や高血圧に要注意!”
舌が赤く血流が多い熱タイプ。肉の焦げたような口臭がします。舌はコケが少なくキレイに見えますが、赤くなっているのは熱で舌がのぼせている状態です。男性に多く見られますが、更年期の女性にも時々見られます。
舌全体が炎症を起こしているため、ピリピリした痛みを伴うこともあります。
性格的に短期で、怒りっぽい傾向の人やバリバリと仕事をする人にもこの症状は多いでしょう。
胃に熱がこもるタイプなので、胃の熱を下げてくれるようなハト麦茶、そば、キュウリ、しじみなどを食べると良いとされています。
②ネバネバ湿化タイプ
”胃と肝臓が弱く、硫黄のような口臭”
ストレスが多い人や緊張感が続く状態であると、交感神経が優位になり痰(たん)が出やすい状態になります。
本来、体液はサラサラの状態ですが、長時間の緊張やストレスが原因で水分が奪われてしまい、体液に粘りが出てきてしまうのです。
この様なタイプには、「湿」を出す食べ物がおすすめです。メロン、スイカ、セロリ、ウーロン茶や緑茶などがあります。
③カラカラ乾燥タイプ
“舌に大きなシワ、雑巾臭”
舌が干椎茸のように乾燥している状態で、裂文(れつもん)といわれる大きなシワが目立ち、雑巾のような口臭がするのが特徴です。
舌に突っ張った感覚があり、ヒリヒリとした痛みを伴うこともあります。また、唾液の量が少なく細胞が乾燥し縮んでしまうため、味蕾(みらい)がつぶれて味が分かりにくくなります。
このタイプの人の健康状態が悪化すると、便秘や骨粗しょう症、高血圧、腎不全、動脈硬化、脳卒中といったような重篤な病気に繋がる可能性があります。
潤いを与えてくれるようなレバーや小魚、わかめ、ほうれんそう、玄米、プルーンなどの食品をとるといいでしょう。
④ドロドロ血流タイプ
“舌が紫色、更年期女性に多い”
血液中の酸素が欠乏している状態です。皮膚などが青黒くなったり、舌が紫色になったりし、血生臭い口臭があります。
血流が悪く手足が冷えるなど、下半身が冷えているのに頭は火照ったような状態です。女性に多く見られる症状ですが、特に更年期の女性に多くみられます。
青あざや手足にクモ状の欠陥が出ている、目の下にクマがでているなど、日常的に体からのサインが出ている場合があります。症状が進むと子宮内膜症や脳卒中、心筋梗塞のリスクが高まります。
睡眠をしっかりとり、半身浴などでリラックスすることや、血液をサラサラにする玉ねぎやニンニクなどを食べるのもいいでしょう。
⑤ギザギザ浮腫タイプ
“冷え性・疲れやすい人は要注意”
全体的に舌は白っぽく、水分で膨れているため、舌の縁が歯に当たりギザギザしているのが特徴です。水分が多いので冷えやすいのが特徴で、ドロドロ血流タイプの冷え性とは異なり水分過多による全身的な冷えです。むくみや慢性疲労、体のだるさなどの症状がみられます。
気圧の変化にも左右されやすいので体調を崩しやすく、舌が膨れた状態が長期にわたって続くと舌がんのリスクが上がる可能性があります。体にこもった「湿」を排出するためには、シソ・パセリ・味噌・酢・ショウガなどの食品をとるといいでしょう。
すぐに病院で診察を!「危険舌」3タイプ
① 舌苔が黒い→胃潰瘍・胃がんの危険
消化管、特に十二指腸に何らかの潰瘍ができている可能性があります。
② まっすぐ出せない→心筋梗塞の危険
筋肉を正常に動かす神経が侵されているか、血管が詰まりかけている可能性があります。表面が波打つのも危険なサインです。
③ 舌の裏の血管がボコボコ→脳卒中の危険
血液の循環が悪く詰まりやすい状態です。紫や青黒くなっている状態も要注意です。左右差が顕著な時は病院へ受診することをお勧めします。
上記にはあてはまらない場合も、異変をそのままにしないでください
歯医者さんで「舌ガン」のチェックが可能です
舌がんの発見が遅れてしまう理由としては、症状がでにくいこと、見た目が口内炎に似ていることで放置されやすいという理由が考えられます。
男女の比率で考えると、男性の方が女性の2倍かかりやすいことが分かっています。
舌がんの原因としては
・タバコやアルコールの摂取
・刺激物(香辛料など)
・慢性的な刺激 などがあげられます。
舌は皮膚とは違い粘膜なので、慢性的な刺激がガンにつながりやすいとされています。
舌癌の場合はいつまでも硬い部分の突起や赤みが消えません。口内炎なら2週間程度で症状は落ち着きます。
2週間たっても症状が消えない場合は、歯科医院を受診することをお勧めします。
舌の不調・気になる変化は早期の受診を。
舌は、体の体調を教えてくれる器官です。舌の異常から、胃腸の状態、肝臓の状態など、いろいろな病気を知らせてくれます。
舌の病気は、ストレス・細菌繁殖・アレルギーなどが原因で発症する可能性があります。原因に合わせた対処が必要です。
舌の状態を観察し、病気や不調のサインを見逃さないことが、病気の早期発見・早期治療につながります。少しでも気になることがあれば歯科医院でチェックしてもらうようにしましょう。