歯石取りをしたら血だらけ!?でもご安心を。 歯石取りで出血する理由
「歯医者で歯石取りをしたら、歯茎から出血した」となると、不安になりますよね。しかし実は、歯肉炎などが原因で歯茎が炎症を起こしている証拠なのです。歯茎が健康な状態では、ほとんど痛みのない歯石取り。今回は、歯石取りで出血する理由と対処法についてご紹介します。
歯石取りとは何なのか?
歯石は、プラーク(歯垢)と呼ばれる細菌の塊が歯の表面に付着し、石のように硬くこびりついたものです。主に歯と歯茎の境目に付きます。やわらかい歯垢と違い、歯石は歯ブラシでは取ることができません。
歯石がこびりついたまま放っておくと歯周病が進行する原因となるため、歯科医院で専用の器具を使って除去をする「歯石取りの治療」が必要になってくるのです。
歯周病が進行すると、歯茎の腫れ・出血・口臭・歯のぐらつきなどを引き起こし、最終的には歯を失う可能性もあります。定期的に歯石取りを受けて、お口の中に細菌を溜め込まないようにしましょう。
●取りやすい歯石
歯茎より上に付いた歯石は、磨き残しや食べカスなどの汚れと唾液によって作られたものです。白~黄色い色をしており、クリーニングでは比較的簡単に除去することができます。
●取りにくい歯石
歯茎より下についた歯石は、歯周ポケットと呼ばれる溝の中に硬くこびりついている状態です。お口の汚れ・唾液・血液によって作られたもので、赤黒い色をしています。
歯茎の下の見えにくい部分に頑固に付着しているため、「麻酔が必要」「歯茎の炎症が落ち着くのを待たないといけない」など、歯石を除去するのに時間がかかります。
歯石取りで出血する理由
歯ブラシで歯磨きをする際に、血が出ることはありませんか?それは、磨き残した細菌(歯垢)が溜まっていて「歯茎が炎症を起こしていますよ」という合図なのです。つまり、歯磨きをして血が出る部分は「しっかりと歯を磨く必要があります」ということ。
自分のお口に合った歯ブラシや磨き方をしていなかったり、いい加減に磨いていたりすると、汚れはどんどん溜まり、歯茎は炎症を起こして腫れたままです。この状態で歯石取りを受けると、「痛い」「歯茎から出血した」となってしまいます。
●歯石除去の処置で傷ついた…という出血ではない
歯茎が健康な人は、歯石除去の処置を受けても痛みや出血が起こることはほとんどありません。しかし歯茎に炎症がある人は、歯石を除去することで腫れた炎症部分が刺激され、出血してしまう場合があるのです。
このことから「歯石を除去する時に使う器具で、歯茎を気付付けられたのでは?」と思う方が多いようです。
●出血は歯茎からのSOS!
歯茎が炎症を起こすと粘膜が弱くなり、歯茎の周りを軽く触っただけでも簡単に粘膜が破れてしまいます。歯磨きや歯石取りの時に痛み・出血があるということは、「汚れが溜まっている」「歯肉炎や歯周病が進行している」と歯茎が助けを求めている状態なのです。
痛いからそのままにすると、汚れや細菌がこびりつき頑固な歯石となってしまいます。まずはしっかりと歯石を除去して、お口の汚れをリセットすることを目指しましょう!
出血はどのくらいで収まるの?
歯石を取り除くことで歯茎の炎症が落ち着き、だんだんと歯茎が引き締まった健康な状態を取り戻していきます。ほとんどの場合、歯石取りを受けてから数日程で出血は止まります。
歯茎が改善するまでの時間はお口の状態によって異なるため、炎症部分に刺激を与えないように気を付けながら様子を見ていきましょう。
●出血が続く時の自宅で出来る対処法
歯石取りをした後は歯磨きへの意識も高まりやすく、ついつい歯ブラシを持つ手にも力が入ってしまいがちに。歯茎の炎症を落ち着かせるためには、歯ブラシを「やわらかめ」のものに変えて丁寧に優しく磨くようにしましょう。
注意したいのは、歯石取りを受けてから1週間以上経っても出血・痛みが続く場合です。歯茎の炎症だけでなく別の原因が考えられるため、早めに歯科医院を受診しましょう。
まとめ
歯石取りで出血することはよくあること。治療が進めば、歯石取りでの出血は減ってくる。
歯石取りを受けた後、口をゆすいだら血が混じっていた・・・となれば、誰でも不安になりますよね。しかし、日本では20歳以降の8割もの人が歯周病にかかっていると言われており、同じように歯石取りで出血したり、痛みを感じたりする人は多いのです。
出血を防ぐためには、まずは「しっかりと歯石を取り除くこと」が健康な歯茎への第一歩となります。歯石を溜め込まないように、丁寧な歯磨きと歯科医院での定期的なクリーニングを受ける習慣を心がけましょう。