舌小帯の「できもの」は口内炎ではない?長引くときに疑うべき病気とは
舌小帯とは、舌を上げたときに見える舌の裏の筋のことです。その部分に、白くプクッとしたできものができることがあります。見た目が口内炎と似ているため、特に気にすることもなく過ごされる方が多いです。
確かに、舌小帯に口内炎ができることは珍しいことではありません。しかし、治りが遅かったり、繰り返しできたり、痛みが強まったりする場合は、他の病気が隠れていることもあります。
今回は、「できものの種類と治療方法」「注意して観察すべきところ」などについてお伝えします。
1.舌小帯の「できもの」は口内炎ではない可能性もあります!
2.舌小帯にできる可能性のある「できもの」の種類と治療法
2-1 口内炎
2-2 粘液嚢胞
2-3 白板症
2-4 カンジダ症
2-5 舌がん
3.セルフチェックで注意して観察すべきところ
3-1 発生部位とサイズ
3-2 症状の程度
3-3 色などの状態
3-4 発生してからの経過
4.長引くお口の中の「できもの」は要注意!専門家へ相談を
舌小帯の「できもの」は口内炎ではない可能性もあります!
舌小帯にできた「できもの」を、口内炎と自己判断するのはやめましょう。
お口の中にできる「できもの」にはいくつか種類があり、まれに、舌がんや口腔がんが発見されることもあります。
治りが遅かったり、繰り返しできたり、症状が悪化するなどの状態がみられるようであれば、歯科医院などの専門機関を受診しましょう。
口内炎は遅くとも2週間くらいで治ることがほとんどです。「できもの」が2週間経過しても治らない場合や、発熱や出血を伴うようであれば要注意です。
舌小帯にできる可能性のある「できもの」の種類と治療法
舌小帯にできる「できもの」には、口内炎以外にもいくつか種類があります。主なものとして「粘液嚢胞」「白板症」「カンジダ症」「舌がん」が挙げられます。それぞれの特徴と治療方法について説明します。
口内炎
口内炎は、唇や舌、歯茎、ほっぺたの内側など、口の中の粘膜にできやすいです。原因として、お口の中にできた傷、栄養不足、免疫力の低下、ストレスなどが挙げられます。
痛みが伴う場合は、軟膏を使用することで、症状を抑えることができます。口内炎の軟膏は、歯科医院での処方も可能ですし、ドラッグストアなどでも購入可能です。
対策として、体の免疫力を高めるために、栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけることが大切です。食事の際は、粘膜を守る役割のあるビタミンBやビタミンCを意識して取り入れるようにしてみましょう。
口内炎は遅くても2週間くらいで治ります。2週間経過しても治らない場合は、他の病気が考えられることもあるので、歯科医院に一度相談してみましょう。
粘液嚢胞
粘液嚢胞という、水ぶくれのようなものができることがあります。形は丸く、色は白っぽく半透明なのが特徴です。下唇、舌の裏、ほっぺたの内側にできやすく、特に舌の裏側にできる大きめのものは「ガマ腫(ガマしゅ)」と呼ばれることもあります。
唾液が分泌される腺(唾液腺)が傷つくことで唾液の行き場がなくなり、周囲の組織に漏れ出ることで水ぶくれのようになります。咬んでしまったり、硬いものが当たったりすることで発症することが多いです。誤って潰しても痛みはありませんが、原因となる唾液腺が残ったままだと再発する可能性が高いです。
治療方法としては、小さくて生活への支障がない場合は経過観察することもあります。しかし、大きくなったり再発を繰り返す場合には、外科手術により内部の嚢胞と、原因となる唾液腺を除去します。(※舌の裏の「ガマ腫」の場合は、開口術という処置や薬剤注入療法などを選択することもあります)。 一般的な粘液嚢胞の手術時間は15〜30分程度で、局所麻酔で行います。治療完了後は縫合し、傷口が治ってから抜糸します(そのまま吸収される糸を使用する場合は抜糸不要です)。
お口の中に水ぶくれのようなできものがある場合は、一度、歯科医院や口腔外科で相談してみましょう。
白板症
白板症は、お口の中の粘膜が厚くなって角化異常が起こり、白っぽくなっているできもののことです。1カ所にできる場合もあれば、全体的にできる場合もあります。特に痛みは感じません。赤くなっていたり、表面が薄く削られた状態になっている場合もあり、このようなケースでは、食事や歯磨きの際に物が接触すると痛みを伴うことがあります。
一番できやすい部位は歯茎、次いで、舌やほっぺたの内側にみられることが多いです。こすっても、剥がれないのが特徴です。
白板症は、「前癌病変」とも呼ばれ、気づかず放置すると癌に進行するおそれがあります。白板症が発見された場合は、顕微鏡での組織検査を行って「前癌病変」の可能性がないか確認することができます。
白板症とは別に紅板症(こうばんしょう)というものもあり、紅板症が癌化する確率は50%前後、白板症が癌化する確率は3~5%くらいです。
お口の中に白い薄い膜の様なものがある場合は、一度、歯科医院や口腔外科の専門機関を受診しましょう。
カンジダ症
口腔カンジダ症は、白い苔の様なものが、舌や歯茎、粘膜などに付着している状態を言います。原因は、カンジダ菌という真菌(カビの1種)の増殖です。白板症に似ていますが、カンジダ症は擦ると剥がれ、白板症は擦っても剥がれないという特徴の違いで見分けることができます。
カンジダ菌自体は、人の体のあらゆる部分に存在する常在菌で、通常は特に害はありません。しかし、糖尿病や癌による体の免疫力の低下、ステロイドの使用、唾液分泌の低下による口腔乾燥症などにより、お口の中のカンジダ菌が増殖することで口腔カンジダ症を発症します。他にも、義歯(入れ歯)のケアを正しく行っていなかったり、抗生物質の長期服用によりカンジダ症を発症しやすくなります。
軽度の場合は、お口の中の衛生状態を保てるように丁寧なケアを行います。義歯を使用している場合は、清潔に保てるようにします。まずは、お口の中をできるだけ清潔に保つことが大切です。
重度の症状の場合は、抗真菌薬を使用します。内服薬を使用する場合もありますが、洗口液や塗り薬もあります。
舌がん
口腔がんの中で、舌がんが占める割合は約50%です。硬いしこりが特徴ですが、最初のうちは特に症状がないため気づきにくいです。舌がんは「舌側縁(舌の横のふち)」に最も多く(約60〜70%)、次いで「舌腹(舌の裏側)」に多くみられます。
最大のリスクファクターは、喫煙です。タバコに含まれる発がん物質によって癌が引き起こされやすいです。
他には、過剰な飲酒、口腔環境の乱れ、歯茎の炎症などが挙げられます。
見た目は口内炎のように見えますが、口内炎は遅くとも2週間くらいで治ります。口内炎のようなできものが2週間以上治らなかったり、症状が強くなるようであれば、一度、歯科医院や口腔外科などの専門機関を受診しましょう。
セルフチェックで注意して観察すべきところ
できものができたときには、「発生部位とサイズ」「症状の程度」「色などの状態」「発生してからの経過」などに注意して、まずはセルフチェックしてみましょう。
発生部位とサイズ
まずは、できものの部位と、そのサイズを確認しましょう。できものの種類によっては、できやすい部位(好発部位)が明らかにされているものもあるので、診断がつきやすいです。
サイズに関しては、最初の状態から、大きくなっているかどうか変化の程度を知ることができます。写真を撮って記録しておくのもおすすめです。
症状の程度
痛みの程度を確認しておきましょう。痛み止めが必要なくらい痛むのか、継続して痛むのか、数日毎に痛むのか、痛む頻度は増えているか減っているかなど確認しておきましょう。
また、食べ物や飲み物を飲み込む時に痛みを感じないか、しこりのような異物感があるかどうかもチェックが必要です。
強い痛みが継続して1ヶ月以上も続いているような場合は、炎症や感染症が伴っていることが多く、「癌」などのより深刻な病気が隠れていることもあります。
癌の場合、初期には痛みがほとんどありませんが、進行すると神経を刺激して刺すような痛みを感じることがあります。痛みが強く継続して感じる場合は、一度、歯科医院で診てもらいましょう。
色などの状態
色や表面の状態もよく観察してみましょう。できものが赤くなっている、白っぽくなっている、できものと組織の境目がはっきりしてない、表面がなめらかなのかザラザラなのかも診断基準になります。
癌の見た目は、組織との境目がはっきりしていないのが特徴で、他には、粘膜がただれたような状態やしこりなどの異物感を覚えたり、進行すると神経を刺激するような刺すような痛みを感じたりすることもあります。
発生してからの経過
できものに気づいたら、症状の経過を確認しましょう。口内炎であれば、強い痛みが伴っても、遅くとも2週間くらいで治ります。2週間以上治らないできものは、注意して経過をみましょう。
痛みが増す、できものの範囲が広がるなどの症状がある場合は、他の病気が隠れている可能性があります。
長引くお口の中の「できもの」は要注意!専門家へ相談を
舌の裏側の「舌小帯」にできる可能性があるできものには、「口内炎」「粘液嚢胞」「舌癌」「白板症」「カンジダ症」など様々な種類があります。
どれも初期段階では大きな痛みがでにくいため、お口の中によくできやすい口内炎だと思い放置してしまうことが多いです。しかし、中には、深刻な病気が隠れている場合があります。
口腔癌は、全ての癌のうちの1%くらいで、罹患する確率としては低いですが、口腔癌の中で舌癌は50%を占めます。
「口内炎だと思って放置していたら症状が進行していた」なんてことにならないように、舌の表面、裏側、側面などにできたできものは、症状や状態、経過を注意深く確認してみましょう。
もし口内炎なら遅くとも2週間くらいで治ります。数週間、数ヶ月治らなかったり、症状が強まるようなら、一度、歯科医院に相談してみましょう。
当院では無料カウンセリングを受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。